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巨大数による異世界介入  作者: 社畜を辞めたい
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来ない待ち人を待つと

本日三話目です。

異世界転生96日目の夜。


俺は冒険者ギルドにいる。

今夜は来ないアヤさん達を待つ振りをするためだ。



「セントさん、ギルドの偉い人って誰ですか?」


「あ?なんのことだ?」


酒場に近付くと、マリンちゃんが待ち構えていた。

ふかふかの私服姿だ。頂きたい。


「あれ?なんか、ギルドの偉い人が来るかもしれないから、

 セントさん達と待つようにって、ギルドマスターに呼び出されたんですが。」


「つまり、セントたちもここで待てって事だろ?」


「そういう事かも知れませんね!

 ジンさんも待たれるんですか?」


「今夜はセントが奢ってくれるらしいよ?」


「……セントさん、私もいいんでしょうか?」


「好きなだけ食べて良いぜ!」


「あ、ありがとうございます。

 注文、伝えてきますね!

 何にしますか?」




「その時俺はな、クーペの前に」


セントは見事な悪酔いをして、マリンちゃんに同じような話を何度もしている。

ダイスは半分寝ているし、クーペは他の席で騒いでいる。

暇な俺は、剣の売上を確認したり商人的な書類仕事をしている。

因みに、マリンちゃんもかなり飲んでいる。




「ジンさん、副業ですか?」


セントはいつの間にか寝落ちしていたらしい。

ここまで嫌な顔一つしないマリンちゃんも中々の物だ。


「ちょっとね。他にも収入が欲しくてさ。」


「そうなんですか。副業だけで食べて行けそうですね!」


「マリンちゃんこそ、セントの話をずっと聞けて凄いと思うよ。」


「あはは、一応これも仕事ですから。

 受付嬢が美人ばかりな理由、知ってますか?」


美人に応援されたら嬉しいとか、また会いたいから生きて帰って来るとか、

そういう理由だと思うが。


「冒険者ギルドの利益を増やすためだろ?」


「……もっと面白い回答を下さい。」


もしかして、セントを丸投げしていたのを怒ってる?

笑顔が怖いよ?


「俺が美人が好きだからってのはどう?」


「やっぱり、偉い人は違いますね。」


知らされてたのかよ!!

ギルドマスターには、他言しないように伝えてあったはずなのに。


「なんのことやら。」


「とぼけても無駄、むだー。

 アヤさんは、今では有名な冒険者なんですよ?」


……そうかもしれない。

アヤさんが公国王の妻になった話で、あの街は盛り上がっていたからな。

受付嬢ならその「アヤさん」がこの街に来ている「アヤさん」と同一人物だって、すぐに分かるだろう。


「失念してました。」


「っ、と、突然敬語で話さないで下さい。

 ……あれ?もしかしてクビですか?

 私、奴隷行きですか?」


「そんな事ありませんよ。

 ただ、敬語の方がいいかなと。」


「止めて下さい!

 ほら、誤解されてるじゃないですか!?」


確かに、受付嬢達が狼狽している。

あ、ギルドマスターが飛び出してきた。


「アイン、追い払っておいて。」


「我が神よ。

 仰せのままに。」


「えっと、今のは一体?」


「俺の部下、ということにしておいて。」


「そうなんですか。でも、突然現れたような。」


「ずっといたけど、見えなかっただけかな?」


まぁ、高レベルの鑑定系ギフト保持者なら、違和感位感じたかもしれないが。

ありがとうございました。

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運営様からの削除通告があり、今は次作「対称性を破って現実⇔異世界変革」に夢中です。
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