新都市計画(自動車と排ガス処理)
本日三話目です。
異世界転生91日目の昼。
俺は艦艇の部屋で起きた。
結局、昨夜も遅くなってしまい、朝まで皆の相手をしていた。
夕方には、獣公爵領に着く予定なんだけどな。
俺は研究施設に来ている。
東ルーメンには、電車以外の移動手段も必要だからな。
農作物を電車で倉庫に運ぶまでは整備したが、そこから加工工場に運ぶ手段を考えないとならない。
「ディーゼルエンジンの進捗状況はどうですか?」
「陛下、完成しております。
ただ、都市で使うには難点がございまして。」
それは完成してるって言わないような。
まぁ、色々と作らせていたから仕方ないんだが。
取り敢えず、試作機を動かしてみる。
なんか臭いな、体に悪い匂いがする。
雷魔法を用いて排気を集めてみたが……真っ黒だ。
アインに報告書を持って来させる。
燃料効率を上げると匂いが強くなり、下げると黒い物質が増えると。
まず、石魔法を用いて直方体の白金を生成する。
面積が狭い面をハニカム構造に加工して、穴を反対側まで開けて排気を通過させる。
次に、尿素水を噴射させる機構を追加する。
噴射量は一定で構わないだろう。
次は、生成した白金とセリウムを混ぜてフィルタ状に加工する。
フィルタに排気を通すことで、黒い物質を濾す。
最後に、生成した白金とパラジウムを混ぜ、
先程と同様に、ハニカム構造に加工して排気を通過させる。
これで排気ガスの処理は出来ているはず。
所謂、尿素選択接触還元法と黒煙除去を行ったわけだが。
根本的な解決ではないが、一応使えるようにはしたいからな。
うん、先程より十分良くなっている。
今後の改良をアイン達に命じておかないとな。
「このディーゼルエンジンで構わないので、貨物自動車を作って貰えますか?」
「承りました!」
これで物資の運搬に不自由しなくなるだろう。
馬車もあることだしな。
あ、飛行機も作らせてみよう。
俺は発電施設に来ている。
蒸気タービンの排ガスにも、処理を追加することにしたからだ。
まず、アンモニアを噴射させる機構を追加する。
次に、酸化チタン(チタンの表面)と、
酸化バナジウム(バナジウムを熱す)を混ぜて、
ハニカム構造に加工して排気を通過させる。
所謂、アンモニア選択接触還元法だな。
次は、直流発電機を作る。
三相交流電動機によってコイルを廻して直流を得るが、
高電圧にするため複数作成する。
更に、クロムを多めに含む鋼の板と棒を作る。
排ガスの進行方向と平行に板を並べて、その間に棒を複数設置する。
全ての棒にマイナスを接続して、電気式集塵装置の完成だ。
最後に、石灰岩を粉砕して水に溶かした物を排ガスに噴射する。
その排ガスと空気を反応させれば、湿式石灰石膏法の完成となる。
ここまで処理した排ガスを煙突から放出すれば、
環境破壊は大分軽減できるだろう。
他の蒸気タービンへの設置は、巫女天狗にやっておいて貰う。
ありがとうございました。




