新都市計画(住民と磁気浮上式鉄道、駅)
本日二話目です。
異世界転生90日目の朝。
俺は艦艇の部屋で起きた。
「陛下、どうですか!?」
乗っているのはララだが、どうって言われても困る。
因みに、イリンとアヤさん以外は順番待ちのようだな。
昨夜、相手を出来なかったからだが。
異世界転生90日目の昼。
俺は東ルーメンの上空で書類仕事をしている。
報告書によれば、電気が供給されたため冷蔵庫や洗濯機、コンロ等を作ったらしい。
……電気って万能だな。
まぁ、どれも電動機があれば作れるけれど。
どれも簡単な動作しかしないが、メイド達の時間が空きそうだ。
また、本日から西ルーメンにいる第二次奴隷の東ルーメンへの移住を始めるらしい。
彼らの内、上位0.1%を研究施設に配属する。
下位3分の1は公国軍、残りは各役所に均等に配置することにしよう。
これで西ルーメンの人口は半分に減るが、また直ぐに一杯になりそうだな。
俺は商業施設と工場の間にある広場に来ている。
地下一階部分に、磁気浮上式鉄道でも作ろうかと思ってな。
巫女天狗から興味深い報告があり、常温超伝導体を見つけたらしい。
鉄を主成分とした磁気シールドを作成中に、偶然出来た産物だがな。
まず、広場を円環状に掘って、巫女天狗が作成した地下水道を模倣したトンネルを作る。
早速軌道側にネオジム磁石を配置して、チタン合金製の車両の底面に、
鉄、魔法金属、その他を混ぜて加工した常温超伝導体を設置する。
うん、浮いたな……。
よし!次に行こう!!
車両の側面、外周側にもネオジム磁石と常温超伝導体を設置する。
遠心力で壁に衝突なんて事は避けたいからな。
内周側には、電動機の固定子を平らに開いた一次側の電動機と、
二次側として、アルミニウム製の導体板を設置する。
所謂、リニア誘導電動機だな。
120度ズレた1相2相3相の交流が流れることで、それに対応する導体板と、
電流と磁界の相互作用で推進力を得ていく。
今回は、三相交流を周波数を変更せずに用いるので、
導体板の間隔を調整することで速度の変化を付ける。
要は、場所毎の速度は固定と言うことだ。
よって、運転席で制御できるのは、加速と減速だけになる。
まぁ、先頭車両と各車両を繋ぐ油を満たした管の断面積を、
運転席側を大きくして押せば、各車両の電動機に指示が出せるだろう。
所謂、油圧、パスカルの原理のことだが。
車両の上部には、三相交流を得るため3組、計6つの集電装置を設置する。
また、車両の側面には手動式の出入り口も設置する。
軌道に発生する電磁誘導を利用して、信号を設置する。
あと、減速の合図となる目印も必要だな。
まぁ、あとの事は巫女天狗に任せて乗ってみよう。
俺は環状線に乗っている。
始動時の加速度が強いが、これはどうしようもないな。
乗り心地は快適だ。
環状線の他にも、東ルーメンの東から西ルーメンの屋敷跡までを繋ぐ東西線と、
軍港から発電施設までを繋ぐ南北線、倉庫類と大規模農業用地を結ぶ農業線を作らせる。
これにより、大規模農業を行う奴隷達も、東ルーメンから通えるはず。
まぁ、泊まる人間も必要だから、当番制で頑張って貰うしかないが。
俺は東ルーメンの上空にいる。
各鉄道の駅の場所を考えるためだ。
環状線は均等に設置すれば良いが、東西線と南北線はそれぞれの乗換駅と、
路線の隙間に設置すれば良いのか?
いや、農業線との乗換駅は必要ないか。
駅予定地の軌道を直線に変えて、ホームを設置する。
ホームへの移動に、エスカレータを設置する。
運転士の訓練などなどは、巫女天狗に任せて、
急いで帰ろう。そうしよう。
ありがとうございました。
尚、作中の常温超伝導体は見つかっておりません。




