新都市計画(発電施設とエレベータ)
本日一話目です。
異世界転生89日目の朝。
俺は艦艇の部屋で起きた。
現在はセシから獣公爵領の直轄領、ララの姉妹が住む都市に向かって航海中だ。
昨夜は遅くまで、ファッションショーを見せられていたのでイリン以外は寝ている。
一応、イリンも寝たふりをしているけども。
俺は東ルーメンの上空で書類仕事をしている。
報告書によれば、東ルーメンの規模が大き過ぎる為、
現在のダムより下流に、第二ダムを建設して地下水道によって上水の供給を行うそうだ。
水路から上水が供給されるのは、屋敷と水堀、広場だけになるようだ。
また、高層建築を人の手を介さず巫女天狗だけで建設した為、既に100棟程建っている。
本日からは更にペースが速くなり、数週間で都市が出来上がる予定らしい。
まぁ、常識を求めたらダメだよな。
俺は建ったばかりの高層ビルに入ってみたんだが、
これはあれか?50階まで階段で上らないとならないのか?
俺は東ルーメンの北、発電施設予定地に来ている。
まずは電力の供給が必要だからだ。
電力と言っても屋敷で使っている物より、実用的な物が必要だ。
東ルーメンの屋敷の発電施設は、ネオジム磁石により作ったNS極の磁界を水力により回転させ、
その磁界中にU字形のコイルを設置している。
コイルのU字の端それぞれに電線を繋げば、交流電流が得られる
今回は、一相目のコイルは0度から磁界に侵入させ180度から出す。
二相目のコイルは120度から入れ300度から出して、
三相目のコイルは240度から入れて60度から出す。所謂、三相交流だな。
コイルについても、単にグルグル巻いた形ではなく、
限界まで細かくグルグル巻く。
コイルの巻き数が多いほどいいからな。
NS極の磁界についても工夫しよう。
ネオジム磁石をコイルの内側と外側それぞれに、ハルバッハ配列として設置する。
内側はN極を下、右、上、左、下方向に設置した五つを一組として、
円周上に繰り返し設置して、外側方向の磁界を強くする。
外側は、下、左、上、右、下と設置することで内側方向の磁界を強くする。
N極とS極が入り乱れる以上、細部の調整は巫女天狗の仕事だな。
NS極が一組で2極というが、恐らく16極になるはずだ。
もちろん、同じ相同士を繋ぐことで、最終的には三相にまとめ上げるが、
蒸気タービンの回転数は、秒速450回転に調整が必要だ。
回転数を落とすことと引き替えに、回転子と固定子の長さを長くして、
より多くの電流を発生させればいい。
俺は高層ビルに来ている。
配電は巫女天狗に任せてきたので、その間にエスカレータを作成する。
まず、三相交流を電動機に流して、先程の発電機とは逆に、
固定子のコイルに電流を流して、回転子のハルバッハ配列として配置したネオジム磁石を回転させる。
その回転を利用して、踏板の前輪を繋げたチェーンを回転させる。
回転が速過ぎるから、減速機を付けないとダメだな。
エスカレータの階段状の段差は、前輪が通るレールと後輪が通るレールの差で決まるので、
階段部分の差は小さく、出入り口部分は大きくする。
配電が終わったので、その他諸々は巫女天狗に作らせる。
50階まで各階しか移動出来ないのも問題だな。
10階毎、20階毎、移動出来るエレベータを設置しよう。
ありがとうございました。




