新都市計画(商業施設と住居、工場)
異世界転生88日目の朝。
俺は艦艇の部屋で起きた。
既に、セシの軍港に係留されているようだ。
「ご主人様。行って参ります。」
「いってらっしゃい。」
朝食後、皆はセシの首都に遊びに行く。
旧王都だけあり、楽しい買い物になるだろう。
まぁ、夜まで帰って来ないだろうな。
俺は艦長室で書類仕事をしている。
処女航海を無事に終え、本日から同型艦の製造が始まる。
まずは数十隻を配備する予定だが、数日中に完了する予定だ。
航海中、部材だけは量産させていたからな。
艦艇だけでなく、それらを係留する軍港の拡張も合わせて行わせる。
まぁ、ルーメンやセシ、獣公爵領を結ぶ航路を中心に航海させる予定だから、
満杯まで係留された姿を見られるのは、東ルーメンの軍港だけだが。
岸壁では荷下ろしが始まっている。
榴弾砲に機関銃、散弾銃と狙撃銃、あと屈強な奴隷兵達。
彼らには、訓練という名目で各兵器の威力を宣伝して貰わないとな。
早速、本日午後から宣伝を開始させる。
報告書によると、高層建築は50階程度なら問題ないようだ。
まぁ、魚人種が水中とはいえ同様の高さまで到達していたから、
魔法金属を有効活用した鉄骨鉄筋コンクリート構造、
所謂SRC構造なら当然の結果だ。
高層建築の詳細は巫女天狗に任せるが、50階建ては役所のみとして、
外周部に向かうほど低くなっていくようにする。
都市を横から見ると、山型になるようにすれば見栄えが良いだろう。
俺は東ルーメンに来ている。
まず、道路の配置を考える。
と言っても、西ルーメンの第二城壁以降に実施したように、
碁盤目状の整然とした町並みにするだけなんだが。
主要道は丘の東西南北の四つで、6車線と3車線分の歩道を作ることにする。
中心部ほど1区画が大きくなるように道路を設置する。
歩道には街路樹用の土地も必要か……やり直しだな。
石畳を敷いたり排水路を整備したりなどなどは、巫女天狗に任せる。
折角、50階建て高層建築物を作るのなら、
追加でそれぞれの役所に10棟分ずつ敷地を確保する。
更に周囲を広場にしておけば、拡張も容易になるだろう。
役所の外周は、丘の外周と同様に広場と公園を整備させる。
この世界では城壁によって各区画を区切ることが多いが、邪魔だからな。
東ルーメンでは、広場と公園によって各区画を区切ることにする。
次は商業施設の作成だが、住居も込みで建てるのがいいだろう。
下層階を商業施設、上層階を住居にしてやれば利便性も高い。
役所地域の外周に沿って、都市の三分の一程をこれらの建設用地として確保する。
外周は先程までと同様だ。
残りは工場の作成だな。
都市の東側に科学技術長管轄の工場、西側に農林水産長管轄の工場として割り振る。
北側は発電施設とその他の工場、南側は公国軍の基地と倉庫類を設置する。
都市の外周に、側面を磨き上げた花崗岩で城壁を作成して完成だ。
攻められることを想定していないので、城壁の外に堀は必要ないな。
異世界転生88日目の夕方。
俺は東ルーメンの上空にいる。
都市の構造としては、城壁の内側に工場が建ち、
工場の内側に商業施設兼住居の高層建築物が建ち、
その内側に役所が建ち、役所の内側に丘がある。
それぞれの層の間には広場と公園が設置してあるが、同心円状に区分けしている。
まぁ、高層建築物が聳え立つにはまだ時間が掛かるんだが。
ありがとうございました。




