新都市計画(王宮と役所)
異世界転生87日目の朝。
俺は艦艇の部屋で起きた。
既にネプ以外は皆起きている。
「ジンさま、ジンさまぁ!」
リルエルは俺の上で楽しんでいるが。
チラチラ扉から覗いているアヤさんも呼んであげよう。
「ご主人様、ご朝食は如何されますか?」
「昨日と同じで。」
「ご準備させて頂きます。」
新鮮な魚は美味しかった。
まぁ、今まで手に入ったのは小魚ばかりだったからな。
マグロ(多分)やカツオ(多分)は好きだ。
俺は艦長室で書類仕事をしている。
殆どをアイン達に任せているが。
機関銃は直ぐに配備できる状態で送られて来ている。
ちょっと重かったが、頻繁に運ぶ物でもないから良いだろう。
「水が足りないのか?」
ルーメンに供給している水量に問題があるようだ。
拡張に次ぐ拡張で、心配ではあったが。
「我が神よ。既に第四城壁を建設しております。
このままでは、補いきれません。」
城塞都市ルーメンでは、元々あった城壁を第一城壁と呼んでいる。
まぁ、土地の売買を自由化したことで、第一城壁内部はほぼ公国の物となっているが。
第二城壁内は所謂貴族街、第三城壁以降が一般の生活空間だ。
これだけでも人口の増加を感じるが、集合住宅ばかり建てているからな。
「ルーメン川の東に、新たな都市を造るのはどうだ?」
水路をもう一本作成するより現実的だ。
これからも人口は増えるだろうからな。
「仰せのままに。」
城塞都市ルーメンはそのまま継承した形だが、
新たに都市を作るのも楽しそうだ。
俺は城塞都市ルーメンの東に来ている。
これから、新たな都市を作成するためだ。
まず、俺が住む王宮が必要だ。
都市予定地の中心部を高く成形して、頂上に設置することにする。
まぁ、ルーメンの屋敷を移して拡張すればいい。
屋敷の土台は、地盤ごと花崗岩で強化するが。
上水道は水路を貯水池から巫女天狗に引かせる。
ルーメン川の西側に設置した水路と対称に設置すれば、見栄えも良いだろう。
ただ、今回は前回よりも水量を確保するため太くする。
下水道は都市の東側、排水専用運河の近くに肥溜めを設置する。
丘の麓には第一城壁と水堀を作成する。
王宮から溢れた上水を水堀に引き込んで、ここから都市へ上水を供給する。
水堀の外周は広場にして、その周りは公園にする。
広場の石畳や公園の装飾は巫女天狗に任せる。
電気はルーメンの屋敷と同様に、水力発電させれば十分だろう。
都市には町外れに発電施設を設ければ良い。
次は領地経営の役所が必要だ。
現代には1府12省庁あったはずだが、どれが必要か考えるか。
内閣府は眷属が担当しているが、何処かに場所を取っても良いかもしれない。
総務省もアイン達がやっているが、文官長と巡察官長が担当している役所でもある。
巡察官長は内務省に該当しそうだが。
法務省は法官長が担当している役所だ。
外務省はフーリゲに丸投げだから必要ないな。
財務省は徴税官長が担当している役所。
文部科学省は、巫女天狗による教育と研究所が該当するか。
厚生労働省は、この時代にはそぐわないが、衛生管理は必要だな。
農林水産省は、大規模農業と巫女天狗による林業、艦艇による漁業が該当する。
経済産業省は、研究所から工場に生産が移れば必要になるだろう。
商業ギルドが担っている分野と重複するが、
飲み込むつもりでやって貰うのもいいかもしれない。
国土交通省もアイン達がやっているな。
環境省もこの時代にはそぐわないが、排水には注意が必要だ。
防衛省は騎士隊長と公国軍が該当する。
国家公安委員会は、警備隊が該当するが、彼らは騎士見習いの側面も持っている。
この際だから組織を変えてしまおう。
法官長と徴税官長は現状維持だが、
文官長と巡察官長は合わせて内務長にする。
騎士隊長は国防長の指揮下にして、国防長には公国軍や街道等の国土整備を担当させよう。
また、警備隊は独立させて国内問題に注視させる。
科学技術長に、巫女天狗が行う教育と研究所、
工場での大量生産や排水、軍港等々の現代知識を担当させる。
更に、それらの流通に掛かる商務も担当させよう。
農林水産長には、農業と林業、漁業に加えて、農地や港の開発を担当させる。
科学技術長と同様に、それらの流通に掛かる商務も担当させよう。
巫女天狗の場所も合わせて、法官長、徴税官長、内務長、国防長、警備隊長、
科学技術長、農林水産長の8つの役所が必要になるな。
王宮を中心に8方位に役所を建てる場所を確保する。
魚人種が持っていたコンクリート技術を用いれば、高層建築が出来るかもしれないしな。
要検討だ。
ありがとうございました。
連休まで一ヶ月を切りました。
尚、作中では「1府12省庁」ですが、本来は復興庁が加わります。




