イリンの吸血
本日五話目です。
異世界転生81日目の夕方。
俺はフーリゲの執務室で、スキル書を読むところだ。
会談の後始末は、巫女天狗とフーリゲに任せた。
護衛の二人は隷属の首輪を嵌めて、巫女天狗による教育を始める。
鑑定を持っている以上、諜報活動を担うことになるだろうが。
因みに、彼らには俺のレベルしか見えなかったようだ。
4643、屈服に値する数字だな。
冒険者ギルドが持って来たのは、ギフトの「誤認」「アイテムボックス」、
スキルの「身体能力強化」だった。
早速、覚えよう。
<新たなスキルを獲得しました。>
<新たなスキルを獲得しました。>
<新たなスキルを獲得しました。>
ステータスっと。
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スキル:健脚(1)
剣術(2)
new 身体能力強化(1)
炎魔法(10)
氷魔法(10)
雷魔法(10)
石魔法(10)
眷属召喚
ギフト:成長補正(10→10→10→10乗)
魔神
空間魔法(10)
時魔法(10)
量子魔法(10)
new 誤認
new アイテムボックス
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身体能力強化だが、全力で強化するとどうなるだろうか。
……。
<スキルがレベルアップしました。>
ステータス確認っと。
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スキル:健脚(1)
剣術(2)
身体能力強化(1)→(10)
炎魔法(10)
氷魔法(10)
雷魔法(10)
石魔法(10)
眷属召喚
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うん、分かってはいたさ!
俺の場合、一切強化されないらしい。
多分、強化する関数より、元の能力値が高すぎるんだな。
いくら強化されても、能力値から見たら微々たる量だと。
制限を設けるというのは、神の身分を守るために有効な手立てだ。
でも、これだと折角覚えた意味なくない?
ねぇ、そう思うよね?
……反応ないな。
異世界転生81日目の夜。
俺はルーメンに戻ってきたんだが、既に外灯が完備されている。
白熱電球と言っても、ハロゲンランプに属するから相当明るいな。
電球を磨りガラスにしたことで、眩しくもない。
遮光カーテン、配った方が良いな。
「アイン、よろしく。」
「仰せのままに。」
明るいランプがあったら、やることは一つだ。
皆の秘部を漏れなく観察する!
ネプは変身しているから綺麗だとしても、リルエルの綺麗さは流石だ。
イリンも綺麗だな、種族特性か。
「イリン、俺の血、飲んでみる?」
種族と言えば、イリンは吸血種だ。
でも、血を飲んでいるところを見たことはない。
「よろしいのでしょうか?
闇魔法が同時に発動するので、洗脳に近いのですが……。」
「それならグラスに注いだ血を飲めばいいんじゃないか?」
「…そのような発想はございませんでした。」
まぁ、体から出た血は不潔だという考えが一般的なんだろう。
不潔なのは、時間が経った血液なんだがな。
「っ、ぁ、っう」
イリンが苦しんでいる。
ステータスを開かせながら飲ませたんだが、能力値が上がり続けている。
あ、気絶した。
俺が始めてレベルが上がった時と、同じ状態かな。
ありがとうございました。
インターネット上に、本作に触れた書き込みがあることに驚きました。
気まぐれで検索して、批判されているのを見るのは凹みましたが。




