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巨大数による異世界介入  作者: 社畜を辞めたい
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宿屋へ至る

転生二日目の朝。


俺は道ばたで起きた。

テンションも、元通りかな。

昨日は酷かった。


さて、残された時間は三日だ。

人間は水を摂取しないと三日しか保たないらしいからな。


いや、種族の「人類(純血)」って人間か?

もしかして、地球に人類はホモサピエンスしかいなかったから純血なのか。

やばい空気しか感じない…。


このステータスって、項目を隠したりできないのだろうか。

お、できるじゃん。

しかも細部まで。


ぽちぽちっと。

こんな感じでいいだろう。



--------------


名前:ジン

種族:人類


レベル:1

 

スキル:なし


--------------



仕様として、最初から全部隠しておいてくれればいいのに。

あ、あの神様だからムリか。


因みに、わざわざ「ステータス」なんて言わなくても、

透明な画面が出ることに気付いたのは今だ。






やっと、やっと人里が見えてきた!

テンプレ的展開を全回避できてよかった。


もし、盗賊に襲われてる馬車なんか出てきても、

俺が全力で逃げる。

いくら成長補正がぶっ飛んでると言っても、まだ成長してない。

戦闘なんて現代日本人にできるわけないし。


人里と言っても、城塞都市だな。

壁の高さは二階建ての一軒家と同じくらい。

うん、微妙な高さだ。



あの門の横にいる筋肉の塊連中に話しかければいいらしい。

いや、この場合は門番か。


混んでなかったのは、ドラゴン様様だな。



「あのー、ここ何処ですか?」


「はぁ、何言ってんだお前」


とりあえず、会話は成立っと。


「いえ、気付いたらこの道にいたので…」


「ここは、アバストスだ。入るなら、ステータスか身分証見せな。」


「身分証ってどんなものですか?」


「ギルドカードとかだよ。常識だぞ、田舎者か?」


「よく分かりません。起きる前のこと覚えて無くて…」


そう、俺は記憶喪失というメジャーな対応策にすることにしたのだ。


「そうか。災難だったな。じゃあ、名前と種族を見せてくれ。」


な、流されたー!

よくあることなの?そんな対応でいいの!?


「んぁ、どうした?」


「申し訳ありません、どうぞ」


「よし、ようこそアバストスへ!」






門を潜ると、ザ・ヨーロッパな町並みが広がっていた。

まぁ、なんとなく分かってはいたが。


大通りの左右には、石造りの建物。

所々木造の建物もあるが、後々は石造りの建物に建て替えるはずだ。


まずは、宿屋を探さなくてはならない。



道具袋の中には、銅貨が20枚、銀貨が1枚、金貨が1枚入っていた。

銅貨が20枚ということは、多分銅貨100枚で銀貨1枚なのだろう。


門番の指が10本なのは確認済だ。

貨幣ならば、学がない人間でも分かる単位になっているはず。

最も有力なのは10枚単位だが、それだと銅貨が20枚あるのはおかしい。

よって、10の10倍、100枚単位と考えて間違いはないだろう。

硬貨が小さいのもポイントだ。



大通りの左右には、屋台が所狭しとある。

というのが、殆どの転生小説だが、この都市は違うようだ。

屋台ではなく、店舗兼テラスのようなお店が殆どだ。


おそらく、屋台が集合しているのは違う場所なのだろう。

候補としては、別の門から続く大通りだろう。

つまり、大通りが交差する中央部まで歩かなければならないという事だ。


なぜ、俺は異世界転生して歩いてばっかりなんだ…。

休ませろ!!






どうやら、俺が入って来た門は南門らしい。

中央部から歩かねばならないと思っていたが、それは杞憂に終わった。

なぜなら、中央部に屋台が集中していたからだ。


喧噪の中、最も立地に経費がかかる屋台を探す。

二つの大通りの交差点にある広場、この中でも東門付近は雑多な印象だ。

つまり、中央部よりやや南門方面の…君に決めた!!


「美味しそうですねー」


やばい、色がやばい。

黄色の肉って何!?


「自慢の味噌煮込みだよ!お一つ銅貨5枚。どう?」


味噌か。

おぞましい想像をした俺に謝れ。


「頂きます!この都市初めてなんですが、安全で安い宿ってご存じありません?」


「そうだねー。」


俺が求める宿は、第一に安全な宿であることだ。

日本人として生活していたため、物騒な事は想像もつかないだろう。

昨日は疲れ果て道ばたで寝てしまったが、冷静に考えれば死んでもおかしくなかったはず。






「ここか」


俺は一件の寂れた宿屋の前にいる。

屋台における聞き込みの結果、安全で安い宿屋はここが穴場らしい。


宿屋の中に入ると、無骨な筋肉がこっちを睨み付けていた。

いや、目つきが悪いだけだと思うがな。



「宿泊したいんですが、一泊いくらですか?」


「一泊銅貨20枚」


「食事はどうなりますか?」


「普通だ。一日二食まで。それ以上は追加料金だ。」


「水とかは?」


「裏の井戸を勝手に使え」


うん、いいおやっさんだな。


「では、三日お願いします。」


そこで、俺は銀貨を出す。

予想通り、銅貨40枚がお釣りとなった。

つまり、100枚単位ということだ。


「鍵だ。出るときは預けろ。」






鍵に書かれた番号は2-1。

部屋は二階の一番奥だった。


ベットとタンス、机と椅子。

普通の構成だ。

やや古めかしいが、丁寧に掃除をしているだろう事が窺える。


まずは、昼寝だな。

ありがとうございました。

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運営様からの削除通告があり、今は次作「対称性を破って現実⇔異世界変革」に夢中です。
― 新着の感想 ―
[一言] レベル1でも怪しまれないんだな
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