帝国への反抗準備
異世界転生32日目の朝。
俺はルーメンの屋敷で起きた。
今日は、皆と存分に楽しむことにする。
暫し、こんな時間は取れなさそうだからな。
皆が、足腰立たなくなるまで楽しんだ。
今日中には、王国軍の先遣隊が到着する予定だ。
なぜか、フーリゲが先遣隊に入っていたがな。
軍の相手も面倒そうだから、巫女天狗をもう1024人召喚する。
殆どは、ドラゴン用の外套作成に掛かりきりだろうがな。
「ネプ、全アイスドラゴンに出撃を命じてくれ。
ネプはエルダードラゴンに奴隷娘達と一緒に乗って、
俺の指示をエルダードラゴンに伝えて、
エルダードラゴンからアイスドラゴンに、
命令を発するようにして欲しい。」
俺達は、北の山にあるアイスドラゴンの生息地に来ている。
「私の役割が重要そうね。
次の排卵には、枯れるまで付き合って貰いますよ?」
いやいや、先日も枯れるまで付き合わされてます。
まぁ、ネプがやる気になったならいいが。
俺は伯爵領を東西に貫く街道を、花崗岩で修繕している。
王国軍の進軍速度を、少しでも上げたいからな。
ドラゴンに乗る伯爵領軍は、地面を走る軍とは速度が違い過ぎる。
俺は、騎士隊長を連れて空を飛んでいる。
伯爵領に属すると示す紋章を付けた、ドラゴン達に会わせるためだ。
吐きながらも、漏らしながらも、俺の言いたいことは伝わったようだ。
伯爵領軍、全60人に対して、ドラゴンは多分70体。
みんな竜騎士にすればいいのか。
可哀想だけど、全員ドラゴンの背に一人で乗って貰う。
「ジン、準備は進んでいるかい?」
いくら巫女天狗であろうとも、
フーリゲの面倒を全部見させるわけにはいかない。
一応、主君だからな。
「全軍に、伯爵領の紋章を周知徹底させてくれ。
巨大な紋章を持った、俺のドラゴン達が来るからな。」
「よく分からないけど、伝えはしよう。
ところで、この町に張り巡らされている物はなんだい?」
「そんなことは、横に立っている女に聞いてくれ。
俺も忙しいんだ。」
「そうだね。彼女に聞くことにして、陣地に戻るよ。」
上下水道について、質問があるのは当然だ。
上級貴族家当主には、巫女天狗達を張り付かせている。
フーリゲであっても、俺から説明する気はない。
面倒だからな。
俺はハーリンフリートより、やや下流に転移した。
本来、今日は灌漑を行って、大規模農業を開始する予定だったのだ。
川から農業用水路を西に100キロ、東に200キロ、南北に100キロ作成する。
農業用排水路を、川に繋がらないように、水路の隣に作成する。
水路の基本構成は、堤防と同じだ。小さいがな。
もちろん、用水路と排水路を効率的に運用するため、
棚田方式に土地の高さを改造する。
更に、中央部に農業奴隷達の生活用に、幾分か土地を確保する。
西に100キロ地点と東に200キロ地点、ルーメン川の水量を少し分けて、
それなりに、流れが速い川を人工的に作る。
堤防完備の排水専用運河だ。
500メートル毎に農道を作成して、碁盤の目状にブロックを作成する。
下流40キロ部分では、このブロック内で4年輪作を行って貰う。
上流60キロ部分では、水稲を行って貰う。
そんなことを、連れてきた農業奴隷達と巫女天狗に説明した。
あと、尿素の結晶を大量に生成して、置いておく。
農業のことも、これで農業奴隷と巫女天狗に一任できたな。
ありがとうございました。




