領地経営の方針
異世界転生28日目の朝。
俺はルーメンの屋敷で起きた。
隣の部屋にはメイドが待機していたが、非処女を抱くつもりはない。
避妊具のない異世界だと、どんな病気になるか分からないからな。
それに、遺伝子検査もなく、実子かどうかの確定すらできない。
そもそも、散々王族達に玩具にされただろうしな。
奴隷娘達を手伝ってくれれば、それだけでいい。
「閣下、おはようございます。」
俺は執務室に来ている。
色々やることはあるだろうが、まずは日々の雑務をやってみる。
もちろん、殆どは巫女天狗に一任する予定だ。
今朝、追加で1024人召喚しておいたからな。
これで3072人が、農業、林業及び治水、官僚などに従事してくれる。
「おはようございます。仕事を始めますので、担当官を呼んで貰えますか?」
「直ちに!
閣下の主な仕事は、決裁にございますので、
ご不明な点は、何卒ご質問頂けますように、お願い申し上げます。」
何も質問してこないのは、俺が伯爵だからだろうか。
屋敷は一晩で様変わり、庭には巫女天狗が大勢いる。
「まず、領地経営に関わる全ての人員に、
彼女達を仕事の補佐として付けて貰います。
優秀な人材ですから、準男爵の負担も早急に緩和されるはずです。」
「承りました!
本日、すべての貴族と武官、文官がご挨拶申し上げる予定とさせて頂いてもよろしいでしょうか?」
「構いません。その際に、彼女達を紹介すると共に、方針を確認しましょう。」
方針としては、税の簡素化と減税、農奴解放、
土地の所有権譲渡、戸籍の作成だな。
「この者達が、騎士隊と警備隊になります。
担当は、男爵位を持つ騎士隊長になります。」
「警備隊には一人ずつ付けます。
騎士隊には二人ずつ付け、領内の生活圏における魔獣の駆除を行って貰います。
あと、王都から騎士団が一つか二つ派遣されますので、
その対応もお願いします。」
警備隊は若者が中心で、出世して騎士隊になるんだろう。
騎士であれば、弱い魔獣は楽勝そうだ。
「この者達が、税率と徴収を担当する徴税官になります。
担当は、男爵位を持つ徴税官長になります。」
「徴税官には五人ずつ付け、税の改革を行います。
税を、人頭税、資産税、農作物税、通行税のみとすることを目指して下さい。
詳しくは、彼女達に聞いて下さい。」
領地運営の費用は、俺が直接稼ぐ予定だからな。
公共施設の運営費と同じ位、徴税できればいい。
「この者達が、閣下が統治される村々の監督を代行する巡察官になります。
担当は、子爵位を持つ巡察官長になります。」
「巡察官には十人ずつ付け、各村の詳細をまとめて下さい。
また、在駐官にも十人ずつ付けます。
後々は、村の制度を、ルーメンを参考に構築して貰います。」
うん、きっと巡察官達は統治者気取りなんだろう。
監視が必要だな、排除も考えないと。
「この者達が、法と裁判を担当する法官になります。
担当は、男爵位を持つ法官長になります。」
「法官には五人ずつ付け、法の改革を行います。
農奴を臣民として、直営地を含めて耕していた土地を、
それぞれの財産として下さい。
また、土地の所有権を認め、売買できるようにして貰います。
詳しくは、彼女達に聞いて下さい。」
まぁ、所有権を認める前に、水道橋の予定地やらを接収するんだけどな。
農奴解放は、有効な施策の一つのはず。
「この者達が、その他の様々なことを担当する文官になります。
担当は、準男爵位を持つ文官長になります。」
「文官には残り全員を均等に付け、雑務を色々とやって貰います。
領内の戸籍の作成及び更新、門番の厳格化、臣民の意識改革、などなどです。
詳しくは、彼女達に聞いて下さい。
また、王都から新規に伯爵領を運営できる数の文官が派遣されますので、
担当の割り振りをお願いします。」
臣民の意識改革が、大問題だ。
戸籍を作っても、更新しないで転居されたら意味ないしな。
兎に角、巫女天狗を付けることで、不正は格段に減るはずだ。
巫女天狗が仕事を覚えたら、文官は俺との連絡係だな。
あ、土地の接収はすぐやって貰わないと。
俺は寝室で、夕日を眺めながらお酒を楽しんでいる。
度数が低かったので、ワインを蒸留した物とワインを混ぜて飲んでるが。
今日一日で、領地経営の殆どは、巫女天狗に一任できたはずだ。
明日は、治水をやるかな。
ありがとうございました。




