使徒降誕
異世界転生144日目の深夜。
俺は最後の多民族帝国王都の王城、
その秘密の宴会場の側にいる。
馬屋にいたピネーちゃんの求めに応じて、
白い全身鎧を身に着けた人型と対峙中だ。
まぁ、死にかけたけどな。
甲冑野郎は神力を用いて、
俺のステータスを弄ってくるが、
先程の項目削除程、強力な攻撃は来ない。
取り敢えず、神力により削除されたステータス、
生命力と表記される項目を復活させる。
……肉体操作によって生命を維持するより、
随分簡単だった。
戦闘とは関係ないが、
神力が溢れるこの時にしか出来ない事を行う。
常世とネプの間に磐座を創作する。
これでネプの寿命も延びるだろう。
まぁ、結局は神に至る訳だが。
持ち出した殆どの神力を使った謹製の神器だ。
あ、ピネーちゃんの生命力が消された。
……うわ、復活って神力食うなぁ。
てか、項目自体が無くなると、
普通は即蘇生不可能な状態に遷移するのか。
量子魔法による電気信号の回復が出来ない。
まだ脳細胞が死んだ訳では無いはずだが。
……でも、見殺しって訳にはいかないか。
縁だよな。これも縁だ。うん。
ピネーちゃんを復活させながら、
神力を用いて甲冑の存在する空間を削除する。
常世に演算領域が存在していて、
普通に復活される。
……いや、そこ俺の領域だから。
俺が使ってるアンやドゥーのお隣だから!
消せないから!!
……つまり、眷属的には今の攻撃は、
不許可って事か。
量子魔法を用いて足場を作り、
甲冑野郎に突撃する。
時空が拡張されて、辿り着けない。
時魔法を用いて甲冑野郎の時間を止める。
時間を飛び越えて、
神力により生命力の桁を半分にされる。
時魔法って未来にも過去にも行き放題なのね。
初めて知ったよ。
腕力で以て、奴の周囲を時空毎砕く。
もちろん、周囲を量子魔法によって固めてからだ。
常世の演算領域を用いて復活される。
これも不可って事か。
いやいや、物理で殴れってアインが言ってた様な?
俺に何をやらせたいのか、ヒントを貰ってたな。
奴の神力に符号を付けて、
常世への接続を選択的に遮断する。
……鑑定系の神力によると、
「使徒( 種)」らしい。
どんな種族だよっ!!
俺の相手をしていた甲冑野郎は大人しくなったが、
他の全身鎧達は、近衛兵や衛兵、義勇兵、奴隷兵、
非戦闘員まで無関係に、
隷属の首輪を嵌めて廻っている。
「ジンさん、もう大丈夫なんですか?」
ピネーちゃんには認識出来ていたか怪しいが、
死んで復活したんだけど。奇跡って奴なんだけど。
感覚的な物か、冷や汗でビチョビチョだが。
「もう一人、助けに行くよ?」
ヌルヌルの手を取って、
転移魔法を発動する。
異世界転生145目の未明。
俺は最後の多民族帝国王都の王城、
その中に割り振られた部屋にいる。
青髪美少女を助ける為にな。
「何したんですか!?」
ほら、そんな大声出すから青髪美少女が、
起きちゃったじゃないか。
「誰ですか?」
俺がピネーちゃんと手を取り合ってるのを見て、
不機嫌そうに聞いてくる。
演技だけどな。
寧ろ嫉妬に興奮しているらしい。
変態め。
「中古品。」
あ、ピネーちゃんに蹴られた。
「暴力反対!」
「……何言ってるんですか?
やっぱり怪我してるんですか?」
「只の嫌味だけど。」
「泣きますよ?」
「私は新品でしたよ?」
青髪美少女が抱き付いてくる。
全裸で。
もう一度言おう。全裸で。
熱い瞳で見詰められる。
まぁ、見せつけてあげようか。
甲冑野郎来ないし。
そっと顎を取り唇を奪う。
ねっとりと舐め回しながら、
上半身を楽しんでいると、
青髪美少女が脱がしてくれる。
事を始めれば、あっと言う間に昇り詰め、
痙攣を繰り返しながら、
更に欲しいと表現される。
全身を真っ赤に染め上げ、
特有の音を響かせながら、
ピネーちゃんを挑発している。
結構負けず嫌いなのかな?
まぁ、ピネーちゃんは、
勝手に嗜虐用の蝋燭を、
青髪美少女に使っていますがね。
なんか楽しそうだ。
異世界転生145日目の朝。
俺は最後の多民族帝国王都の王城、
その中に割り振られた部屋で起きた。
青髪美少女を縛って吊して、
後ろから楽しんでいたら、
少しうとうとしてしまったらしい。
俺はベットに横になっていたからな。
青髪美少女はピネーちゃんが、
降ろしてくれたみたいだ。
横で寝ている。
そしてピネーちゃんは律儀に床で寝ている。
まぁ、毛布位掛けてあげよう。
てか、いつの間に全裸に。
巫女天狗も、
俺が楽しんでいる最中に割り込むなどと、
無粋な事はせず、甲冑野郎は廊下にて待機中。
地下にいた者以外には、
ピネーちゃんと青髪美少女しか、
甲冑野郎の支配から逃れられていない。
まぁ、他の者を守るつもりもなかったんだが。
全員が奴隷として確認出来る。
宴会場は支配下のメイド達に封鎖させている様だ。
外に出ても驚愕するだけだからな。
ありがとうございました。




