侵略軍の第三次攻撃
先日、四周年を迎えました。
ありがとうございます。
異世界転生142日目の昼頃。
俺は最後の多民族帝国王都の王城、
その中に割り振られた部屋で起きた。
今朝の色々の報告は居合わせた近衛兵に任せて、
俺は魔力を使い過ぎたという理由で、
睡眠を取るから起こすな、と言っておいた。
近衛兵達は生返事だったが、
上層部にはちゃんと伝わったらしい。
さて、扉の前には生意気だが、
綺麗で可愛い少女が立っている。
青い髪をした非処女、
先日楽しませて貰った相手だ。
まぁ、全てを手配したソルトさんのお節介だろう。
偉くなったんだから面倒を見ろと、
そういう事だろうか。
雷魔法を用いて鍵を無音で外して、
更にドアノブを動かす。
蝶番を外して、内側に扉を開ける。
扉に寄りかかっていた彼女は、
こちら側にひっくり返る。
駆け寄って、口元を押さえ、
部屋の中に引きずり込む。
雷魔法を用いて扉を閉め、
蝶番を直す。
「大丈夫?」
動揺している彼女に追い打ちをかける。
声を覚えていたのだろう。
いや、覚え込ませたと言う方が正しいか。
一瞬で発情する。
特に言葉を発する事も無く、
熱い瞳を向けてくる。
手招きしてやると、それだけで昇り詰め、
涙ながらに唇を重ねてくる。
雷魔法を用いて音を閉じ込め、
石魔法を用いて振動を抑えて、
彼女を楽しむ。
暫く楽しんだ頃、俺は違和感を覚える。
悪意、敵意、俺も対象に含めた害意を感じる。
熱血漫画の登場人物みたいな感想だが、
アインから伝えられる事実だ。
要は、敵襲らしい。
夢中になっていて気付くのが遅れたかな。
「仕事だ。」
量子魔法を用いて脳内を落ち着かせてやる。
過度に分泌された物質は分解して、
電気信号を操作して思考を正常化する。
以前の様に、いい加減な対処では無い。
「っっはっいっ。」
話しながらも昇り詰める彼女自身に、
服を着させる時間は無いので、
俺が持つ備品から下着と服を着せた。
貴族の末席とは思えない程の、
豪華なドレスだが、
アヤさんの叙勲式の際に没になった型だ。
俺は扉を壊さない様に開け廊下に出る。
同様に破片によって扉に穴が開かない様に、
石造りの天井を数枚ぶち破り、
国王代理がいる階まで飛び上がる。
近衛隊が剣を抜き出すが、
彼らを説得している時間は無いので、
隙間を走り抜ける。
基本的な造りはこの古城の廊下のままだが、
宝石が装飾されていたり、
流石に豪華に着飾ってある。
その中で特に重厚な石の扉を蹴破る。
複雑な文様が彫ってあったが、
まぁ、壊してしまっても問題ないだろう。
部屋の中には国王代理と、
謁見の間にいた重鎮数人。
国王代理が奥のテーブルに着き、
その前にある長机に重鎮が、
向かい合って座っている。
重鎮達の間にある机を飛び越え、
国王代理に近づき、彼を左手に突き飛ばす。
壁には本棚が設置されているので、
死にはしないだろう。
多少強く押したので、
骨折位しているだろうが。
さて、急ぎ過ぎただろうか?
僅かな間があって、
国王代理がいる壁とは反対側の壁から、
木のツタが伸びてくる。
いや、刺してくる。
樹木種の攻撃を受け止め、
俺の手を囲む様に展開する根に対して、
炎魔法を発動して炭に変えていく。
同時に、氷魔法を用いて周囲への影響を相殺する。
樹木種を焼く程の温度では、
普通の人間は致命傷を負うからな。
壁の中を掘ってきた根に対して、
追撃して焼き尽くしていく。
本体は、この王都の地下にいるらしい。
地中から伸びてきた根が、
城の柱を通って壁を抜けて、
国王代理を暗殺しようとしたって事だな。
うん、普通は気付けないと思う。
石材などを石粉に変えて吸収、
排泄してしまうからな。
音も無く、僅かな魔力が残るだけだ。
感知出来たとしても、
魔力を持つ者が多い中枢部では、
魔法の残滓にしか思われなかっただろう。
……罠だった様だ。
樹木種を追って王都地下まで、
炎魔法を発動していたが、
そこにあったのは本体では無く、
根の集合体だった。
うっかり全てを焼き払ってしまった。
王都の地盤を支えていた大地を、
樹木種は無くしてしまい、
替わりに根を張っていた。
それら全て炭に変えてしまったから、
そんな状態では王都を支えられない。
大地から不穏な音がし出したので、
樹木種の追跡を中止して石魔法を用いて、
地盤を作り直す。
こちらが迎撃する事を分かった上での、
暗殺計画だった様だ。
最大戦力を打倒出来ず、
次に最高司令官を狙った様だが、
まだまだ見立てが甘かったな。
異世界転生142日目の夕方。
俺は最後の多民族帝国王都の王城、
その最上階付近にある会議室にいる。
俺は放置され気味なので、
国王代理が座っていた偉そうな椅子に座り、
足を机に乗せ目を閉じて休息中だ。
メイドさんが氷水をくれるので、
それを飲みながらな。
案の定肋骨を折っていた代理は、
寝室に下がっていき、
重鎮達は王都が受けた地盤沈下の影響等を、
確認して忙しくしている。
まぁ、今朝のあれこれの処理も、
終わっていない様だしな。
王都は樹木種の本体を追っていた間に、
数センチ程度落下した様だ。
時々響く重低音は建造物が倒壊した音だろう。
ピネーちゃんも王城に招集され、
補修に大忙しな様だ。
異世界転生142日目の夜。
俺は最後の多民族帝国王都の王城、
その中に割り振られた部屋に帰って来た。
会議室にいたが、彼らは徹夜仕事らしく、
俺の出番は無い様だったからな。
ベットには青い髪の綺麗で可愛い少女が寝ている。
全裸で。
与えた服は掛けてあるから、自分で脱いだ様だ。
隣に潜り込んでも気付かれないので、
かなり疲れているらしい。
まぁ、一回位ならいいよね?
ありがとうございました。
四年間も続くとは驚いております。
皆様の御陰です。
最初はもっと早く終わる予定でしたが、今ではいつまで続くのか私にも分かりません。
ただ、新しい小説を書いてもこんなにも大勢の皆様に読んで頂けないだろうと思うと、
終わらせる事にも躊躇いが生まれそうです。
今後ともどうかよろしくお願い申し上げます。




