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巨大数による異世界介入  作者: 社畜を辞めたい
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黄組と騎士団

異世界転生139日目の夕方過ぎ。


俺は王都義勇軍、

その黄組の練兵場に接する部屋に居る。


少し暗くなって来たが、

組員を十分見渡せる寝室だ。


ピネーちゃんと二人、

寝台に腰掛けている。



「誰なんだ?」


「黄組を担当してるラビス騎士団ですね。」


「言い争いが噛み合ってないんだが。」


「視察というか憂さ晴らしというか、

 時々来るんですが、

 ジンさんの奴隷は露骨に距離を取っていて、

 目を付けられたみたいです。」


「それで抜くとか短絡的過ぎるだろ。」


「……そうですね。」


目を逸らすなよ。

露骨過ぎる、問い質して欲しいのか?


「なんだよ?言いにくい事か?」


「えっと、先に抜いたのは奴隷の子です。

 触られそうになって、

 腕を切り落としていました。


 凄いですね、あの剣。

 鎧毎ブッツリ行ってましたよ。」


あのディメンションソードとでも、

言うべき細剣か。


効果範囲内の空間を切断する魔法が、

刃に展開されている。

魔導石による魔導剣だな。

魔法剣でもいいけど。


「それで他の騎士達も抜いたって事か?

 他人の物に気安く触る方が悪い。」


「綺麗ですからね。

 可愛い服も着ていますから、

 娼婦と間違えたのでは?」


「いやいや、物理に訴える前に、

 口頭で触るなって言ってなかったか?」


「そんな言葉聞いてくれる訳ないじゃないですか。

 私でも皆の前でされたりするんですから。」


強制青姦ですか。

しかも知り合いに見られながら。

……もしかしてピネーちゃんの貞操観念が、

著しく無い原因か?


「……黄組の連中を敵に回すと、

 王都に居られなくなるんじゃなかったか?」


「そういう事する連中は貴族ですよ?

 こっちが街に居られなくなっちゃいますよ。」


「もしかして、ピネーちゃんが、

 ヤリまくるようになった原因?」


一応聞いておかないとな。

というか、確認しておかないと気になってしまう。


「そ、それとこれとは関係ないんですが……、

 って、何言わせるんですか!変態!」


「黄組も大変なんだな。

 それで、そんな厄介な連中にアスカルさんが、

 突っかかっていると?」


「なんで抱いてくれないのに、

 秘め事は聞こうとするんですか?

 そういう趣味なんですか?」


「話を逸らさない。

 ……なんで喜んでいるんだよ。」


「だって、そろそろ説明、

 終わっちゃうんですもん。」


いやいや、早く終わって欲しいんだが。


「理由は簡単です。

 ジンさんの奴隷に何かあったら、

 皆殺しにされそうだからです。」


「……そうだな、否定はしない。」


そもそも、俺の相手をしている奴隷が、

他の男に触られるとか有り得ない。


私兵を二つに分けたりせず、

全員連れて行けば良かったな。

あ、でも荷物が多過ぎるか。


「ジンさんは温厚に見えるのに、

 やっぱり冒険者なんですね。」


「冒険者かどうかは関係ない。

 独占欲が強いだけかな?」


「それを押し通せるのは、

 ジンさんみたいな強者だけです。」


腕を絡ませるな。

指を絡めてくるな。

なんで脱ごうとしているんだよ!?


「ピネーちゃん、もう行くから。」


「据え膳食わぬは男の恥って言いますよ?」


誰が広めたその言葉!

……勇者の誰かなんだろーな。


「処女じゃないから嫌。」


「嫌ってなんですか!

 同じあ」


雷魔法を用いてサンダーアローを顎に打ち込んだ。

もちろん、痺れる程度に弱い奴をな。

涙目になりながら、

ピネーちゃんは観念したようだ。


「そもそも殆どが、

 ポアブルさんの受け売りだろ?」


「そふですね。」


「練兵場の奥から登場したいから、

 案内してくれ。」


入口にはポアブルさんがいて、

入口付近に騎士団がいる。


一番奥に俺の私兵が二人、

騎士団との間に黄組が、

奴隷を守るように展開している。




「えーと、この壁の向こうだと思います。」


取り敢えず、半裸のまま連れ回してみた。

喜んでいるのが分かって辛い。


石魔法を用いて壁に穴を開ける。


黄組の先頭を張っているのは、

当然アスカルさんだ。

残してきた奴隷二人を回収して、

歩いてアスカルさんの元に向かう。




「アスカルさん、交代しましょう。」


「おい、てめーの奴隷か!?」

「早いよ!」


騒いでいたのは若めの騎士のようだ。

一際豪華な鎧を着ている奴が団長だろうか。


「これだけ人数が居たら、

 袋叩きに遭いそうですね?」


「同じ服着てるぞ!」

「しかもいい女だ!」

「団長達以外は大丈夫なんだけどね。」


「力押しにはならないんですか?」


「そいつも寄越せよ!」

「一応騎士だからね、彼らも。」


アスカルさんと合流する頃には、

私兵達も安心した様だ。




「さて、私の奴隷が腕を狩ったようですね。

 他人の物に触れようなど、

 盗むつもりだったんですか?」


「はぁ!?俺達は騎士だ。

 盗ったりしねぇよ!」

「ちょっと声掛けただけだろうが!」


「静かにしていろ!!」


騎士達の中央にいた団長等が近付いてくる。

まぁ、アスカルさんの出方を、

見守っていたんだろう。

一応、開戦直前だしな。


「あんたがその女の主人か?」


練兵場に残っていた私兵の一方を指される。

小柄で可愛い系の方だ。


「そうですが?

 口頭で触らないように、

 注意しているはずですよ?」


「そんな事はどうでもいい。

 俺の大事な騎士が利き腕を失ったんだ!

 その償いはして貰うぞ!?」


「ジンさん、ここは穏便に。

 注意を聞かなかったからと、

 切り落とす事はなかったと思わない?」


アスカルさんがとてもお願いしてくる。

具体的には膝を地面について懇願されている。


「止めて下さい、アスカルさん。

 えっと、騎士団団長さん?」


確認するが頷きもしない。

まぁ、周囲の数人がこの男を見たから、

そうなんだろうが。


「アスカルさんがここまで粘った理由を、

 考えたりしていますか?」


「非はお互いにあるが、

 失ったのはこちら側だけだ。」


問いに答えもしないのか。

武力もあるが権力もあるという事だろう。

ありがとうございました。

三ヶ月もお待たせして申し訳ありません。

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運営様からの削除通告があり、今は次作「対称性を破って現実⇔異世界変革」に夢中です。
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