ギフトという名の特典
右を向いても、左を向いても草原。
草、草、草。
とりあえず、落ち着こう。
すーはーすーは。
これはあれか、走馬燈か。
いやいやいや。
俺こんなとこ来たことないし!
しかも剣だよ剣。
あれか。これはあれなのか。
さっき刺された現実は、あまりにリアルだ。
意識が薄れ、薄れていることすら感じなくなる感覚。
忘れたい……。
うん、お約束をやろう。
「ステータス」
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名前:ジン・アサイ
種族:人類(純血)
レベル:1
生命力:20/50
魔力 :10/10
体力 :20
知力 :150
俊敏力:10
スキル:なし
ギフト:未設定
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わーぉー。
なんか出てきちゃったよ。
透明な画面が出てきちゃったよ。
つまりだ、異世界転生確定だぁーーー!!!
まぁ、なんだ。
俺は日本で死んだっぽいし、第二の人生が歩めるのは得と考えるべきか?
いやいや、心残りがあり過ぎて、納得できない。
せめて、PCのデータを消したい。
押し入れに封印した中二病全開のあれも……。
まぁ、なんだ。
死んだみたいだから、忘れよう。きっぱり。
気を取り直して、ステータス画面によると、
ギフトが「未設定」ってなってるんだが、なんだろうか。
ぽちっとな。
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ギフト:未設定
ギフトを入力して下さい。
例)成長補正(大)
謝罪の気持ちです。受け取ってください。 by 神
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転生の弊害って奴だろうか。
とりあえず、ステータススキル系の異世界ってことは、
強力なスキルを設定するのが王道だよな。
いや、まてよ。
「by 神」ってなんだ…。
お・ま・え・の・せ・い・か!!!
とにかく、ギフトを入力せよ!というお達しなわけだ。
ギフトという名前からして神様の祝福系なんだろう。
入力しろってことは、なんでもいいわけだ。
でも、ここで王道に走るのはなー。
うん。なんでもいいってことは、こんなのはどうだろうか。
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ギフト:成長補正(10→10→10→10乗)
ギフトを決定します。よろしいですか?
Yes or No
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いけた!いけたぞ!!
もちろん「Yes」だ。
ありがとうございました。
10→10→10→10はコンウェイのチェーン表記です。
例として、数字を小さいものから記載させて頂きます。
10(0が1個)
1億(0が8個)
1兆(0が12個)
1無量大数(0が68個)
1グーゴル(0が100個)
1グラハム数(0が10進法で表記不可能個)
3→3→3→3(0がいっぱい)
10→10→10→10(0がもっといっぱい)




