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巨大数による異世界介入  作者: 社畜を辞めたい
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リルエルの再会

連続更新三日目です。

異世界転生139日目の夕方。


俺は多民族帝国のある王都の、

奴隷商人の家の外に居る。



「それで、何処に向かわれているのですか?」


一緒に居るのはミディエルという名の元王妃、

リルエルの母親だ。

もう一人は傷付いたミディエルさんの、

お世話係をやっていたアーリスという少女。


「聞き耳がない場所にしましょう。

 丁度先程の奴隷商人が、

 保有する商会が無人ですから。」


「そうですか。」


奴隷商人の屋敷を出て、

商会の門を無理矢理開けて侵入する。

閂は折ってしまったが今更だろう。


屋敷や小屋の中央にある広場に来てから、

振り返って話を再開する。


「エルフを裏切らないという事ですが、

 貴方を利用して、

 エルフを操る様な事はしませんよ。」


「そうですか……それは失礼を申し上げました。

 聖者様、助けて頂いた事に深い感謝を捧げます。」


本当に信じているか分からないが、

一応感謝を伝えられる。


膝を折って頭を少し垂れる。

上位者が下位の者への礼の仕方だな。

元いた世界の欧米の子女の挨拶のようだ。


「私は聖者ではありません。」


「私の状態は私が一番知っておりました。

 それがこのように回復している。

 正に聖者様の行いとしか思えないのですが?」


「アーリスさん、私が奴隷商人と、

 訪れてからの事を説明して頂けますか?」


「あ、はい。

 ミディエル様の事を御存知で、

 助けて頂けたようです。

 しかし、元々は元奴隷を欲していたのかと、

 愚考致します。」


正解です。

アーリスさんって結構切れ者なのかな?


「そうですか。

 ……なぜ、私たちを助けて頂けたのでしょうか?

 私を欲しているのでしたら、

 酷く汚れていますよ?

 病気にだってなるかもしれません。」


「病気も取り除いてあるので、もう大丈夫ですよ。

 理由は……他のハイエルフが、

 どうなったのか御存知ですか?」


「そのような意味も含んではいるのですが。

 アーリス、何か知っていますか?」


「……申し訳ありません。

 私も、最初は耐えるのが精一杯で。」


うわ、顔色悪いよ。

もしかしてアーリスさんも、

強姦を含む拷問を骨の髄まで味わっていた?


ミディエルさんみたいに欠損までは、

行っていないようだが。


「第二王女までは王国に捧げられ、

 第三王女以下は奴隷として、

 オークションに懸けられる事になりました。」


「そうですか。

 責め苦を負っていなければ良いのですが。」


「続きがあります。

 第一王女と第二王女及び第四王女以下は、

 エスパルト王国の王位継承権争いに乗して、

 エルフに救出されました。」


「そうですか!!

 国民に感謝しなければなりませんね。

 ……それで、

 第三王女はどうなったのでしょうか?」


「第三王女はオークションに懸けられました。

 そして、私はリルエルの所有者です。」


うわ、殺されそうだよ。

全力の魔法を撃つつもりだな。


まぁ、発動の速さに注力しても、

欠けた体を回復させるような光魔法の使い手には、

効かないとの判断だろう。


アーリスさんも氷魔法を用いて壁を作っている。


<ドライ、リルエルを安全に寄越せるか?>


現在リルエル達を担当しているドライに意思を伝える。


<我が神よ。

 時空を入れ替えます。

 負担が掛からないように、

 保護する魔法も発動します。>


<やれ。>


転移魔法を用いるより切り貼りのように、

時空毎移動すれば負担は少ないだろう。


他にも高度の高い塔型迷宮からの移動に際して、

気圧等の変化による負担を各種魔法を用いて、

軽減しているようだ。


リルエルがこちらを認識する前に、

神力を用いてリルエルから、

ギフト:誤認の影響を取り除いておく。


「!?ジン様!

 どうかされましたか?」


俺への射線上にリルエルが現れた事で、

ミディエルさんは魔法の発動を中止する。


俺はミディエルさんを指さす。

言葉にならないか。

涙を流している。


「……、は、は、母上様。」


そう言いながらアーリスさんの氷の壁を物理で壊し、

母を抱き留める。


「っ!!

 ジン様、ありがとうございます。」


涙を流しながらこちらに手を伸ばす姿は、

神が降臨した絵画のようだ。

ありがとうございました。


昨日は二話目を更新出来ず申し訳ありませんでした。

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運営様からの削除通告があり、今は次作「対称性を破って現実⇔異世界変革」に夢中です。
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