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巨大数による異世界介入  作者: 社畜を辞めたい
189/233

黄組のAランク冒険者

連続更新一日目。

三話目です。

異世界転生138日目の昼。


俺は王都義勇軍、その黄組の練兵場にいる。

これから俺の剣の腕を試すらしい。



「ジンさん、獲物は片手剣で良いですか?」


ポアブルさんとの試合は、

黄組全員が見守る中行われるようだ。

青組との違いは獣人が多い事だろうか。

流石多民族帝国だな。


アスカルさんに訓練用の刃を潰した剣を渡される。

まぁ、潰してあっても金属の塊だ。

普通に死ぬ。




「訓練という事でよろしいんですよね?」


「えぇ、もちろんです。

 私も訓練用の道具を使います。」


いや、だから、その道具でも死ぬから。

まぁ、寸止めとかそういう話だと思うが。

どうだろうなーポアブルさんやる気だな。


「それではポアブルとジンさんの、

 練習試合を始める!

 掛け金は一食分だ!

 ポアブルに賭ける者は?

 よし、ジンさんに賭ける者は?」


何気に賭け事に利用されているんだが。

強かというか、

なんでも楽しもうとしているというか。


「よし、始め!」


ポアブルさんは、

盾役と言った感じだろうか。

基本は受け身かな。


青組の奴を殺った時より遅く、

秒速200メートル程で切りつける。

うん、反応が間に合っていないな。


「そこまで!!

 本当に強いんだな。

 ポアブル、どうだった?」


俺が剣を寸止めしてすぐに声が掛かった。

もしかして、アスカルさんには補足されていた?


「僕には無理ですね。

 次は組長アスカルの番です。」


「え?俺はやるって言ってないぞ?」


「やりたいのなら今やって下さい。

 この後の訓練もあるんですから。」


アスカルさんは、

ポアブルさんの尻に敷かれているらしい。

男同士だけど。




「遠慮しないで来い。

 ジンさんの力を見るための試合なんだからな。」


「まぁ、そこそこって所で。」


「それでは、我らが組長とジンさんの練習試合、

 始め!!」


アスカルさんは大柄なのに、

俊敏力重視の装備をしている。

元から力はあるから、

それ以外を伸ばしたって感じだろうか?

理解に苦しむ装備の組み合わせだ。

遊びでは無く、死ぬからな。


そういえば青組組長は強かったんだろうか?

まぁ、二番隊隊長よりは強かったんだろう。

つまり、アスカルさんもそこそこ強いって事かな。


秒速300メートル程で袈裟切りを仕掛ける。

うん、反応されたな。

左の剣で受け止めている間に、

右で刺すつもりらしい。


やや右に移動して、

アスカルさんの右の剣を避ける軌道を取る。

序でに、袈裟切りを右薙ぎに変える。


右の剣で受けて、

左は俺の剣の上から、

ねじ込むように刺突を狙っているだろうか。


剣が接触するまでそのまま行動する。

触れたら力を込めて右の剣を吹き飛ばす。

更に右に移動して、刺突を避けながら、

アスカルさんの首筋に剣を添える。




「参った。

 ジンさん、あんた本当に強いな。」


「ありがとうございました。

 それにしても、アスカルさんもかなり強いのでは?

 前職、聞いてもいいですか?」


只の街の人間の強さじゃない。

レベルアップによるステータス強化の恩恵を、

相当受けているはずだ。


「そういえば言ってなかったな。

 ジンさんと同じAランクの冒険者だ。

 よろしく頼むよ!」


出身は衛兵とかではなかったか。

冒険者は血気盛んだとか、

魔獣退治にしか興味が無いとか、

実体験だったのかよ。


アヤさんと同じく力より素早さを重視した、

この戦い方にも納得出来る。

冒険者は魔獣の強大な腕力から、

逃れる必要があるからな。

対人戦とは違った強さが求められる。


「不躾な質問なんだが、防具はどうしたんだ?

 冒険者なら俺みたいに、

 軽装位身に着けているだろう?」


「私は後衛なので普段着で十分です。」


「ん?すまない、なんだって?」


「私は後衛なので普段着で十分です。」


「うーん、おいポアブル、

 ジンさんなんて言ってる?」


「後衛だって言ってますね。」


「き、聞き間違いじゃないって事だよな。

 ジンさん、後衛なの?」


「私は魔法使いですよ?」


そういえば聞かれなかったから、

冒険者って事以外言ってなかったな。

もちろん剣術のスキルもあるが、

オマケみたいな物だ。

まぁ、ステータスによって肉体でも戦えるが。


「……ポアブル、頬をつねってくれ。」


また古典的な対応だな。

流行っているのか?


「そんな必要ありませんよ。

 ほら、痛いでしょ?」


ポアブルさんが訓練用のアレで殴った。

打ち所が悪いと……アスカルさんなら大丈夫か。


「えーと、得意魔法はなんでしょうか?」


「また敬語に戻っていますが、

 最も使うのは雷魔法ですよ。」


侵攻軍に対応するには雷魔法が便利だと思い、

そう答えておく。

実際は光魔法と闇魔法以外は使えるが、

それは言わなくても良いだろう。


「見せて貰えるか?

 そうだな、的はあっちの地面で良いか?」


「構いませんよ、

 ただ標的からは離れてくださいね。」


「おい、お前ら!

 こっちに来い。危ないぞー!」


的の周囲には少女らがいたからな。

十分な距離が空いてから魔法を発動する。


雷魔法を用いてサンダーアローを撃つ。

電圧高めで弾着点の周囲の土が焦げる程度にな。

秒間300発ならアスカルさんも認識できるだろう。




「もういい!もう良いから!!」


「そうですか。」


10秒ほど撃っていただろうか。

爆音が五月蠅かったな。

次からは空気の振動を抑える魔法も合わせて使おう。


「本当に魔法使いなんだな。

 ……Aランクの俺と剣でやり合える魔法使いって何だよ?

 どんだけレベル上げてるんだよ!?」


「色々とありまして。」


「……想像したくない。

 俺は絶対想像したくないぞ!」


「しなくて構わないので、

 私は何をすればいいんでしょうか?」


「……そうだったな。

 まぁ、魔法の練習をしていてくれればいい。

 空から榴弾?って爆発する玉が振ってくるらしいからな。

 それを魔法使いには任せている。

 

 最初にお前を案内したピネーがそうだ。

 その内戻って来るから、

 詳しくは彼女に聞いてくれ。

 

 さーてと、今日も訓練を始めるぞ!」


つまりピネーちゃんが戻って来るまで、

放置されるらしい。

まぁいいけど。

ありがとうございました。

本日の連続更新はこれで終わりです。

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運営様からの削除通告があり、今は次作「対称性を破って現実⇔異世界変革」に夢中です。
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