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巨大数による異世界介入  作者: 社畜を辞めたい
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青組練兵場

連続更新、二話目です。

異世界転生137日目の夕方。


俺は王都義勇軍、その青組の練兵場に来ている。

土むき出しのだだっ広い広場だ。


腕に青紐を付けている奴らが、

青組の連中という事だろう。




入っても誰にも何も言われないんだが。

取り敢えず、

お手伝いさんらしき少女に話しかける。


「すいません。

 志願したら此処、

 青組に行くように言われたのですが。」


「新しい方ですか!歓迎します。

 王都をよろしくお願いしますね。

 

 最初はあそこにいる、

 ちょっと髪の薄い方に聞いて下さい。」


「お願いしますね」と笑顔、

頑張りたくなってしまうじゃないか!




「すいません。

 志願したら此処、

 青組に行くように言われたのですが。」


「そうか、まずは日が沈むまで走り込みだ。

 体力は基本だからな。」


……どう考えても見下されている。

一瞥しただけで、前職を聞きもしない。

見る価値すらないと言った感じだ。


「体力も十分あるので、

 その必要はないと思いますが。」


細身が原因だと思うが、

細くてもステータスが高ければ問題ないんだがな。

そういう基本を確認すべきじゃないだろうか。


「口答えするな!

 雑魚らしく基礎鍛錬をやっていろ!」


……なんで此奴はこんなに怒っているんだ。

新人教育にしたって、まずは実力の確認だろう。


「では、貴方も一緒に走りましょう。

 騎士ではないのでしょう?」


ちょっと煽ってみよう。

俺から見れば騎士も弱いがな。


「いい度胸だな。

 この二番隊隊長○○○を知らないとは、

 何処の田舎だ?ゴブリンに餌でもやる村か?」


えーと、剣の柄に手をかけているんだが。

刃を潰してある訓練中の奴らの剣とは違うよな。

ゴブリンに女を献上する村ってのも悪口だしなぁ。


「それは訓練用の剣ではなく、実戦用ですよね?

 殺意をお持ちなら手加減しませんよ?」


「骨の髄まで染み込ませてやるよ!」


奴が抜く前に再度声を掛ける。


「その前に観客を呼びましょう。

 盛り上がるでしょう?」


うーん、ちょっと失敗だっただろうか。

訝っているようだ。

それでも証人がいないと、

只の殺人になってしまうからな。


「ほら、走ってる方々は気になるようですよ?」


「チッ、おい、お前ら集合!

 剣をどう使うのか見せてやるよ!!」


それでも自分が勝つことを疑いもしないんだな。

俺がなんの実力も見せていないことを、

忘れているんじゃないか?


走り込みをさせられていた新人?らしき、

奴らの中には俺の行動を止めようと、

頻りに合図を出す者もいる。


「殺してもいいんですよね?」


一応確認。

でも、本物の剣を使ってお遊びって事も、

此処にはあるのかもしれないからな。


「はん、やれるもんならやれよ!」


抜刀と共に多分殺意を向けられている。

うん、遠慮はいらないな。


そうは言っても観客に被害が出ないように、

秒速300メートルちょっと、

音速未満に速度を落として奴の首を撥ねる。

もちろん、血が飛び散らないように血管は、

炎魔法を用いて焼いてある。


0.01秒もあったので反応されるかと思ったが、

そこまでの腕はなかったらしい。

口だけだったな。




「これからどうすればいいんでしょうか?」


他の組員に聞いてみるが、

事態を飲み込めていないようだ。


「死体を運ぶ場所はありますか?」


引きずっていいならば、俺が片付けてもいいだろう。

持つなんて嫌だし。


「く、組長!組長!!」


どうやらトップを呼ぶらしい。

というか、組長とか組員とか、

裏のお仕事をされている方々みたいじゃないですか。

やだ怖い。



「何があった!○○○……。

 お前がやったのか!?」


組長さん御登場。

ソルトさんより弱そうなんだが大丈夫か?


「決闘です。同意の上です。」


正確には違うが意図は伝わるだろう。


「おい!お前本当か!?」


……誰も答えないってどうよ?

俺の事を庇ってくれていた奴まで下向きやがって。

このなんとかという奴、そんなに有力者だったのか?


「……本当らしいな。

 お前は何しに此処に来たんだ?」


青組長は真面な人間なのかも知れないな。

これだけ周りが答えにくそうにしていれば、

勘付く者だろう。


それに遠巻きに見ていた青組を指導する側が、

加わって何が起きたのかは伝わったようだ。


「お前は何しに此処に来たんだ?志願兵か?」


「そうです。

 実力を示すために殺っていいと言われました。」


顔に手を当てて、

典型的な困ったポーズを取られた。

ベタすぎる。


「此処に行くようにソルトさんに言われて来たら、

 体力がないと決めつけられて、

 そこに反論したら殺ってみろと言われて剣を抜かれました。」


「本当に殺っていいと思ったのか?

 同じ青組になるんだろう!?」


いやいや、その紐貰ってないから。

まだ青組員じゃないから。


「王都が囲まれている現状では、

 そのような規律の義勇軍が、

 あってもおかしくはないと思いましたが。

 

 そもそも私の実力を測りもしないで、

 雑魚だと決めつける此奴が悪いと思います。」


「……言い分は分かった。

 だがこのまま収めることは出来ない。

 一緒にソルトさんの所まで行って貰うぞ?」


「構いませんよ。」


さて、ソルトさんの権力は如何様だろうか。

俺を囲むように八人の青組員に、

連れられて向かうようだ。

ありがとうございました。

今回の連続更新はこれで終わりです。


塾講師やっていた頃が懐かしいです。

元気過ぎると思っていましたが、それに励まされていたようです。

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運営様からの削除通告があり、今は次作「対称性を破って現実⇔異世界変革」に夢中です。
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