義勇軍募集所
連続更新、一話目です。
異世界転生137日目の昼過ぎ。
俺は多民族帝国の皇帝を輩出した王都に来ている。
義勇軍に参加して我が侵攻軍の相手をする為だ。
まぁ、奴隷達の要望に従って、
ハーレム要員も獲得しようと思う。
王都と言っても陥落まで時間の問題だからな。
戦争によって、
ハーレムを増やす最後の機会かもしれない。
まぁ、この大陸において、
最後の大規模戦争になるのは確実だ。
ギフトの誤認の効果で、
俺は別人に見えている。
具体的に言えば、顔だけ魔法使いのダイス似だ。
薄っぺらく眼だけ大きい、
要は顔面偏差値が低いってことだが。
「あの、志願したいんですが、
ここでいいでしょうか?」
看板の掲げられている小屋の中には、
老兵数人と歳の行った女性がいた。
偉そうにせず謙虚に弱腰に対応する。
問題が起きた方が楽しめるという、
不純な動機からだが。
「はいはい。あんた他の町から来たのかい?
前は何をやってたんだい?随分細いねぇ。
身綺麗にしているし、義勇兵には向かないよ。」
ババアだ……ばばあがいる。
出入りの業者というのは、
基本はお偉いさんの親戚だった。
くそババアは勝手なことを宣っては、
先輩社員様に無いことばかり吹き込む。
ドリンク剤の飲み過ぎだって?
ノルマが終わらないんだよ!
夜遊びしてる訳じゃないんだよ!!
おい先輩社員様、元はお前らの担当だろ!!
なんで遊び癖があるから帰らせるなって、
止めよう、昔を思い出すのは。
「そう言うな○○○よ。
今は一人でも戦力が欲しいところ。
こいつが五月蠅くてすまないね。
取り敢えず、町では何をやっていたんだい?」
覚える必要の無い名前は聞き流す。
「冒険者をやってました。」
「おぉ、心強い。
今の若いもんは壁の外に出たがらないからの。
ま、この辺りには壁もないんだがね。」
自分で言って自分で笑ってる。
さっきのババアは口出しされて面倒だと思ったのか、
他の老兵と話している。
「それで、ランクは何処まで行ったんだい?」
この老兵は孫でも見ている気分なのだろう。
やけに優しい顔をしている。
「Aランクまで行きました。」
「お、おぉ、凄い事よ。
期待を持ってしまうぞ?」
「ちょっと○○○じいさん、何呆けてるんだい!
こんなひよっこが冒険者な訳ないだろ。
あんたも爺さんに甘えてないで、
さっさとあっち行った!」
うわー。手をしっしとされた。
まだ弱腰の方が良い?
無理だな、無視しよう。
「期待して頂いて良いかもしれませんが。
それで、何処に行けばいいんでしょうか?」
「聞いてるかい?その耳は飾りか、
使い物にならないあんたのそれと同じか。
相手をさせられる方がか」
「そこまでにしておきなさい。
ここは国を守るために、
戦に立ち上がる勇者を集める場所ですよ。」
もう一人の老兵が割って入ってきた。
かなりの歳だが、
軽装の上から鍛えていることが分かる体つきだ。
「○○○さん、そんな事言ったって。」
「いいから、君は掃除でもしてなさい。」
「掃除なら朝ちゃんとしたわよ。
無謀な若者を向かわせないように、
忠告してあげているんじゃない。」
何処が忠告だよ。
只の言い掛かり、罵倒の間違いだろ。
「いや、すまんね。
皆限界間際で余裕がないんだよ。」
顔を逸らして言われても説得力が無いが、
ここを収める為の言い訳と言うことだろうか。
「そんなことより○○○、
Aランク冒険者なんて凄いぞ。
我々の街を守れるかもしれないぞ。」
「○○○も静かにしておいてくれないか?
何処にやるのかも決めねばならないだろう?」
「そうじゃな、儂は黙っておくか。」
「すまんね、儂はソルトと言う。
お主の名前を聞かせて貰えないだろうか。」
「ジンと言います、ソルトさん。」
「そうか、ジンか。
Aランクの冒険者という事じゃが、
儂はとんと聞いた事が無い。
何処の街を拠点にしていたんだい?」
「大陸の西を拠点にしてました。」
「もしやとは思うが、天罰によって消えた辺りか?」
「その辺りです。」
ちょっと離れているかもしれないが、
その辺りで間違いはないだろう。
大地が削れた端を辿れば、俺の拳なんだし。
「……儂の妻がその辺りの出身での。
特に何が旨いんだったかの。
うーん、名前が出てこない。」
どうやら誘導されたらしい。
疑ってはいるという事か。
「冒険者になったのには理由がありまして。」
「すまんね、
冒険者に出自を聞くのは野暮じゃったな。」
沈黙が流れている。
特に値踏みされているというよりは、
どうしようか考えているようだ。
「……ジンには青組に行って貰おうか。
帝国から流れてきた者が多いが、
名を上げようと躍起になっておる。
Aランクの冒険者ともなれば、
歓迎されるじゃろう。」
「分かりました。
ただ先程みたいに、
歓迎されなかったらどうすればいいですか?」
快く迎えられないだけなら兎も角、
さっきのババアみたいに扱ってきたらどうしようか。
「その時は黄組だろうか。
赤組は騎士になり損なった奴らだから、
冒険者とは上手くやれないじゃろう。」
「先程の方を見ていると、
最初から黄組に行った方が、
いいように思いますが?」
赤組は騎士風で青組は名誉重視、
どっちも冒険者には辛い環境だと思うが。
「そうなんじゃが、黄組はこの街の者が多からの。」
……説明終わり!?
まぁ、分かるからいいけどさ。
怪しい者を入れにくいってことだろ。
「それでは青組の場所を教えて貰えますか?」
最初は謙虚に弱腰に、忘れないようにしよう。
ありがとうございました。
桜を見ていたら側を通っている新入生らしきセーラーが気になってしまいました。
青春って感じです。戻りたくはないですが混ざりたいです。
若さを充電したいっていうか。




