塔型迷宮再攻略の意味
連続更新二日目。
四話目です。
異世界転生136日目の朝。
俺は塔型迷宮86階層で起きた。
小屋のベットでお楽しみ中だ。
「ジン、あぁっ!」
昨夜はフーリゲの所に行っていて、
相手をしていなかったので、
皆順番待ちをしている。
今はアヤさんの三週目だ。
声にならない甘い声を上げて、白銀に輝きながら登っていく。
ただただ俺の名前を連呼するのは、黄金色の彼女だ。
クッションを思わせながらも、強い情動に誘われる。
諦めが秘め事に徐々に変わっている少女もいる。
「ジンどう?
しっかり寝たからいい感じだと思うけど。」
彼女はいつも俺の事を考えてくれる。
俺に何が出来るのか、考慮しなくてはいけないんだが、
きっと彼女は側にいるだけで良いと言うだろう。
そうやって、皆と楽しむ。
まぁ、マイが只管自家発電に励む中だが。
これだけ準備が出来ていても、来ないんだよな。
異世界転生136日目の昼過ぎ。
俺たちは塔型迷宮87階層にいる。
少しだけ仮眠を取って、
体力を回復してから、本日の再攻略を開始した。
「ご主人様、少し相談があるのですが、
よろしいでしょうか?」
今は雪山を行軍中で、戦闘をしている訳ではない。
まぁ、イリンはあくまで補佐的な立場だから、
持ち場を離れても問題ないだろう。
そもそも、この程度に苦戦するステータスではない。
「何かあったのか?」
相談が必要な事があっただろうか?
少なくとも攻略に関しては順調だろう。
ヨエルが馴染んで来たので、
パーティとして発揮される力は、
かなりレベルが上がっているはずだ。
まぁ、後衛のリルエルのレベルが、
前衛よりも高過ぎて時間を稼げば勝てる、
という方式になっているのは心配だが。
「はい。
実はご主人様をこのまま再攻略に付き合わせて、
良いのかという意見がありまして、
アヤ様と私たち奴隷で話し合ったのです。
戦局が変わった現状、
ご主人様を縛り付ける必要はないはずだと。」
確かに、勇者が北方連合に帰った以上、
俺が塔型迷宮に籠もる理由はなくなっている。
どれだけ、俺の事を考えてくれているのだろうか。
「結論は議論の必要すらありませんでした。
これはあくまで迷宮攻略であって、
ご主人様の手を煩わせるような、
重大な事柄ではないのです。」
リルエルの奴隷解放も重要だとは思うが、
結局は時間の問題と言えるかもしれない。
現にリルエルは、必死に経験値を稼いでいる。
「ただ、アヤ様はご主人様の好きにさせておけば良いと言う意見でした。
一方私の本当の意見は、
さっさと多民族帝国に行けって感じです。
行きたいのでしょう?
ハーレム要員、増やしたいのでしょう?
乱れた国に降臨するご主人様、素敵です。」
素敵って、俺が何をするのか、
分かっているような口振りだな。
まぁ、いつもする事に大差ないのは事実なんだが。
ありがとうございました。




