塔型迷宮攻略(最深部)
連続更新二日目。
四話目です。
「初神族討伐」にて、語句が間違っておりましたので修正致しました。
ストーンドラゴンのガルフがいるのは現世です。
申し訳ありませんでした。
異世界転生132日目の夕方。
俺は塔型迷宮100階層に向かっている。
塔型迷宮100階層への道は、
10階層ごとの規則に従って階段が設置されている。
階段の先には、壁が待ち構えている。
えっと、取り敢えず登ってみるかな。
100階層への侵入を防いでいた壁は、
近付くと空気に溶けるように消えていった。
塔型迷宮の最深部、
強力な魔獣がいるという最深部に辿り着いた。
まぁ、居るのは神だと思うが。
見えるのは、黒髪長身のイケメン男だ。
苛立たしい。殺意が沸く。
「君が次代の神かな?
ジン君。」
こいつはエルダードラゴンの神とは違って、
話す事が出来るらしい。
「先代の神か?」
「そうだとも。
僕が造りし愛しの娘達に、追放されたね。
君にそこまでの力を与えたのは、
この時の為かな?」
エンシェントドラゴンを造っただと?
つまり、先代の神というより始まりの神なのか?
いや、エンシェントドラゴンである自身が、
独りしかいない事に寂しさを覚えて、
同種を造ったと考えておこう。
在り来たりな物語だが。
「予想外だったとは言わないだろう。
神だからな。」
「そうだね。
総てを考慮して、
君にチートスキルを与えたんだろう。
この僕に、奪われる為にな!」
俺は、喪失感を味わっている。
心地良い物じゃ無い。
神力が奪われていく。
留め置こうとしても、
先代神の方が操作に長けている。
俺が、地面に膝を着いている。
その事実に、俺が驚愕している。
…………あれ?そんな気分がしているだけで、
力が衰えた気はしない。
「なぜ、君の神力を奪い尽くせない?
そんな能力を、君は持っていないはずだ!」
俺が持つ神力は確かに強大な力だ。
だが俺のステータスから考えたら、
その絶対量は雀の涙に等しい。
そして、俺自身の神力を総て奪われて気付いた。
この体の事を。
「奪っているさ。
俺の神力はな。
お前の娘達は、お前より余程利口なようだ。」
この体を、不思議に思った事はあった。
俺のステータスを神力を用いて表示させると、
種族は「神族(神懸かり)(依代{ネプ})」と、
表示される。
依代は分かる。
常世と現世を繋ぐ場所の事だ。
だが、「神懸かり」はどんな意味を持っているのか、
俺はずっと疑問だった。
一体、何に乗り移っているのかと。
アンとドゥが作り出した影に、
投影してくれているのだとばかり思っていた。
アン、ドゥ、そんな代償を払ってまでネプの願いを、
いや、俺達の願いを叶えてくれていたんだな。
「貴様の様な劣等種に、
崇高な我が抵抗されるなど、
有ってはならないんだ!!」
先代神は、神罰を実行してくる。
神の演算領域を用いずに、
俺の存在自体に介入しようとしてくる。
俺のステータス上の神力を、
零にしようとしてくる。
しかし、その値は既に0だ。
「なぜだ!?
なぜ神力が消えぬ!
なぜ改ざんできぬ!!
えぇい!滅んでしまえ!!!」
遂に、先代神は俺を削除しようとする。
それが引き金だとは思いもせず。
ありがとうございました。
もう一話、更新したいです。




