塔型迷宮攻略(99層)
連続更新二日目。
三話目です。
異世界転生132日目の昼。
俺は塔型迷宮97階層にいる。
塔型迷宮96階層と同じく、
ウインドエルダードラゴンの神だ。
「話は出来るか?」
「我は油断せぬ!」
声を掛けるまでは、待つのが流儀なのだろうか?
義理堅いのか、行動を制限されているのか、
どっちだろうな。
ウインドという名前から想像するのは、
風魔法と雷魔法。
放たれたのは荷電粒子砲だった。
ただし、使徒とは威力が違う。
前触れ無く、俺の周囲を対生成が囲い込み、
本体の粒子が襲ってくる。
俺は量子魔法を用いて、
粒子のエネルギーを奪い去る。
やっている事は使徒とイリン達が、
戦っていた時と同じだな。
ドラゴンに対して、奪ったエネルギーの二乗倍の、
エネルギーを纏った粒子を放つ。
もちろん、神力を混ぜてな。
次に、三乗倍のエネルギーを付加して放つ。
更に、四乗倍のエネルギーを付加して放つ。
よし、肉体は破壊したから、
神力を用いて存在の行方を追跡する。
時空の、宇宙の理の外にある、
神の領域に帰っていく。
演算領域への侵入を試みるが、
拒否されているようだ。
アクセス権限が無いみたいな?
そして、そのまま存在が消滅していく。
神族ではあっても、神の領域に入れない。
それは神族と言うのだろうか?
いや、意図的に排除されていると考えた方が自然だな。
ネプは「いないはず」と言っていたいが、
何処にいないのか主語までは聞いてはいない。
それが、神の領域にいないはずという意味なら、
この有様の説明が付くが。
俺は塔型迷宮98階層にいる。
塔型迷宮96階層と同じく、
ファイアエルダードラゴンの神だ。
「私は滅ばされぬ!」
声を掛けずに素通りしようとしたが、
呆気なく敵対行動を取られる。
炎と言えば熱だ。
俺の体が莫大な熱量を持つ。
まぁ、暑いかも?と感じる威力も無いが。
炎魔法を用いて、
ドラゴンの温度を上げる。
我慢比べと行こうじゃないか。
末路は、前の二体と同じだった。
肉体を失うと、意識が神の領域に向かう。
しかし、そこで拒絶され果てる。
ドラゴン達もこの結末になる事を、
知っていたようだな。
俺は塔型迷宮99階層にいる。
本来はガルフが陣取っているはずだった場所かな。
神となったエルダードラゴンではなく、
階層ごと高エネルギーに包まれている。
この惑星系を支える二つの太陽分の、
エネルギーの比ではない。
この惑星系を抱える銀河系、その銀河系を含む銀河群、
銀河群を含む銀河団、銀河団を含む超銀河団。
要はこの宇宙が持つエネルギーと同等だと言う事だ。
正に神の所業だな。
襲っては来ないが、
それは俺が入口に立っているだけだからだろう。
塔型迷宮100階層への階段に向かって進むと、
エネルギーが殺到してくる。
まぁ、俺からしたら低エネルギー過ぎて、
量子魔法を用いて簡単に奪える。
神の領域に踏み込んでいるチートスキルより、
あしらうのは簡単だな。容赦の必要も無い。
それにしても、この辺りの迷宮の耐久度は異常だ。
ありがとうございました。




