初神族討伐
連続更新二日目。
二話目です。
語句修正
”それに、ガルフは常世に残り、”→”それに、ガルフは現世に残り、”
異世界転生132日目の朝。
俺たちは塔型迷宮91階層の小屋で起きた。
きつきつのじゅるじゅるが、楽しませてくれる。
「ジン様!ジンさま!!」
結局一晩中、起きては登って、
寝ては登ってを繰り返した。
俺は塔型迷宮92階層から上を攻略する。
その間、イリン達は塔型迷宮79階層から、
攻略をやり直す事になっている。
ただ、俺の攻略速度だと、
頂上まで一日も掛からないと思うが。
塔型迷宮は10階層ごとに、
地形や魔獣の種類が変わると思われているが、
80階層より上は5層毎に変わるらしい。
俺は塔型迷宮92階層にいる。
中央に91階層より一回り大きい、
黒い使徒が鎮座している。
軽く拳を握り、使徒の側に転移魔法を用いて、
移動する。
アインが使徒の周囲を量子魔法を用いて封鎖して、
俺は時空を砕きつつ、
俺の周囲を量子魔法を用いて固定する。
まず、一体目。
俺は塔型迷宮96階層にいる。
93層から95層は一回りずつ、
使徒が大きくなるだけだった。
よって、四体討ち取った。
そして、96階層に到達したんだが、
俺の悪い予想は当たったようだ。
塔型迷宮96階層にいたのは神だった。
ストーンドラゴンのガルフを、
アイスドラゴンに変えた見た目だ。
元はエルダードラゴンだな。
迷宮に合わせたのか、ガルフより小柄だが。
「なぁ、アイン。
勝てると思うか?」
「我が神よ。
ネプ様の寿命と引き替えならば。」
俺はつい、力を込めてしまう。
周囲数十メートルの時空が壊れても。
「それなら、なぜアンやドゥが俺を恐れる?
……愚問か。何も考えず、
力押しがいいって事だな。」
「左様でございます、我が神よ。
神力は神にしか扱えない力、
その身で扱う事に無理があります。
しかし、ステータスに頼った戦い方は十分可能です。
また、その力は神など足元にも及びません。」
生命力や魔力、体力の上位互換が神力だ。
効率が桁違いだがな。
つまり、効率を無視すればいい。
態々、神力同士で戦う必要は無いって事だ。
問題は神力のみ光速を無視して、
情報を伝える事が出来るって事だが。
それは神力を僅かに込めれば克服できる。
うん、ステータスに頼ろう。
「ガルフの知り合いか?」
「矮小な者よ。
あのような裏切り者と一緒にするでない!」
俺の周囲が絶対零度に固定される。
粒子の振動が止められるって事だが、
固定する力に対抗すれば良いだけだ。
俺は炎魔法を用いて、振動を増幅する。
足元を量子魔法を用いて固定して、
神力を纏いながら蹴り出す。
アイスエルダードラゴンの頭部へ突っ込み、
続けて全身を粉砕する。
肉体を失ったドラゴンは、
神の演算領域に帰って行く。
……いや、帰れなかったようだ。
そのまま存在が消滅していく。
さて、楽勝だったがこれでいいんだろうか?
それに、ガルフは現世に残り、
こいつは神になったって事の何処に、
裏切りがあるのだろうか?
……ドラゴンは、ファイヤー、アイス、
ウインド、ストーンの四種類。
エンシェントドラゴンは、
アン、ドゥ、それとネプの三人。
アンとドゥの前の神か。
なるほど。
ありがとうございました。




