表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
巨大数による異世界介入  作者: 社畜を辞めたい
170/233

リルエルとの繋がり

連続更新二日目。

一話目です。

異世界転生131日目の昼過ぎ。


俺たちは塔型迷宮91階層にいる。

イリン達は小屋の中。

俺は岩肌に腰掛けて、ネプに抱きしめられている。



「そんな事はいいのよ。

 皆喜んで相手しているんだから。

 これからもしっかり相手して貰うわよ?

 それより、普段はね。

 どうやってジンに気に入られるか、

 そんな事ばかり皆で話しているのよ?

 ジンにこうしたら嬉しそうだったとか、

 ああしたら喜んで貰えたとか。

 そんな話ばっかり。

 私に言わせれば、

 ジンの気持ちなんて決まっているのにね。」


恥ずかしいぞ。

うん、それはとっても恥ずかしい。


「こうなったのも、

 ジンが変な劣等感を持っているからなのよ?

 素直に、皆が好きだって言えば良いのに。」


「奥手なんだよ。

 それに、劣等感なんて持ってない。」


「言葉が違ったわね、優越感かしら?

 異世界から来たジンには、

 私達は異質に見えるのかもしれない。

 だからと言って、我慢はしなくていいのよ?

 私達が努力しているからと、我慢しなくていい。」


そんな事言われても、難しい。

俺にはゲームの中と大した差は無かった。

圧倒的な力を手に入れて、余計に現実感を失った。

神を体験して、夢との違いが分からなくなった。


「ほら!ジン。そんな顔しないの。

 私も、皆もジンが好きなのよ?

 リルエル達の事を考えて悩むなんて、

 彼女達が望んでない。

 私だけじゃ無い。

 皆、ちゃんと此処にいるよ?

 これからも、ジンの隣に居続けるのよ?」


……俺は自分がどれだけ彼女達を、

遠ざけていたのかを、実感させられる。

近付いて来ようとするリルエル達を、

奴隷達だからと向き合わなかった。


「ジン、貴方は人が背負うはずじゃ無い物を、

 抱え込んでしまった。

 その苦悩は、正直私には分からないわ。

 でもね、私達はいつでもどんな状況でも、

 ジンの味方よ?

 ジンを愛す事を止めたりはしない。

 ……リルエル、出てきなさい!」




「ジン様、私は我が儘を言ってしまいました。

 しかしその言葉に、嘘偽りはありません。」


「リルエル、俺は。」


「ハッキリ言いなさいよ!

 根性無し!!」


五月蠅いネプ。

お前は黙ってろ。


「リルエル……好きだ。」


俺はリルエルのこの顔を、

決して忘れる事はないだろう。






異世界転生131日目の夕方。


俺たちは塔型迷宮91階層にいる。

イリン達は小屋の中。

外にいる俺は、リルエルと盛り上がって、

隅々まで味わった。


「ジン様、私は幸せな奴隷です。

 ジン様に大事にして頂けて、

 私は嬉しいです。」


「俺も、リルエルに想われて嬉しい。」


「私も居る事、そろそろ思い出して欲しいわ。」


「……小屋に戻るか。」


「そうしましょう。

 アヤが怒っているわよ?」


俺たちは手を繋いで、小屋へと戻る。




「なんでリルエルとまで手を繋いでいるのか、

 説明して貰いましょうか?」


アヤさん、そんなに嬉しそうに、

詰問されても困ります。


「お兄様、私もいいですか?」


見透かしたようなマイを見ていると、

こっちが恥ずかしくなる。


「えーと、なんて言えば良いのか。」


「アヤ様、ジン様に告白されました!」


やめてー!

今すぐは止めてー!!


「へぇ。ジンもやるじゃない。

 流石勇者ね。」


「いえ、私は勇者ではありませんよ?」


「どーでもいい。

 今はそれ、心底どーでもいい。」

ありがとうございました。


勝手にノルマを消化した気分になっております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運営様からの削除通告があり、今は次作「対称性を破って現実⇔異世界変革」に夢中です。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ