神との関係
異世界転生13日目の朝。
俺はイリンフォースの胸を堪能しながら王都の宿屋で起きた。
うん、それは別にいいんだが。
リルエルよ、俺となぜ合体しているんだ?
まぁ、喜んで頂くが。
横にいるイリンフォースの残念そうな顔を見てあげて。
今日は予定がない。
社畜としては、心安まらない状況だ。
いや、元社畜だ!
あの日常は忘れることにしたはずだ。
ほぼ全ての時間をプログラミングに費やし、他の時間は上司やら何やらからの罵倒を受ける日々。
寝落ち以外に睡眠が許されない日々。そして投擲で起こされる日々。
突然の仕様変更、そして納期の短縮。
いや、待つんだ俺。
前世のことだ、そうだろう?
とりあえず、リルエルに快感ではなく魔法知識を貰おう。
もう俺は到達したよ?
「魔法とは、魔力によって火を起こしたり、水を出したりするものです!」
知ってる。
ダメだ。この世界の住人に科学的説明を求めてはいけないんだ。
根本的問題は、俺が魔力を感知することができないということだ。
また、スキルの習得にはかなり時間がかかることも影響しているだろう。
俺がこの異世界に来て、まだ二週間も経っていない。
ふと、俺はいい考えが浮かんだ。
俺のステータスにヒントがあったとしたら?
俺の名前は「ジン・アサイ様」となっていたはずだ。
さて、誰が「様」なんて付けたでしょうか?答えは簡単、神だろ?
おい、神。
俺に魔力を感知できるようにしろ。
いや、心に思うだけでは不十分かも知れない。
俺はイリンフォースと交わった聖なる証しでもって、神にメッセージを書いた。
”神よ、俺が魔力を自由自在に扱えるようにしろ。
さもなくば、消えてもらおう。”
<ごめんなさい。許して下さい。今すぐ設定しますから!!>
………俺は戸惑っていた。
いいのか、神?渡してはいけない情報も含まれてないか?
彼女は「設定する」と言っていた。
つまり、世界の構成はプログラムと大差ないと言うことだよな?
うん、最終目標は世界の構成に干渉できる権限を得ることだな。
とりあえず、ステータスを確認しよう。
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名前:ジン・アサイ様
種族:表記不可能
レベル:4642→4643
生命力:表記不可能
魔力 :表記不可能
体力 :表記不可能
知力 :表記不可能
俊敏力:表記不可能
スキル:なし→健脚(1)
ギフト:成長補正(10→10→10→10乗)
魔神
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レベルが、レベルが上がっている!?
あれか、魔神というギフトを得たからか?
そして、空欄だった各項目が「表記不可能」に変わっていた。
どっちも同じ意味だよ!無駄な修正だ!
疲れる。この神の相手は疲れる。
とりあえず、新たに得たギフトを確認しなければな。
ぽちっとな。
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ギフト:魔神
魔力を司る存在。
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うん、知ってた。
この神が使えない存在だって。
これじゃ下手にお願いしたら、俺の意図と違う現象が発現しかねない。
なんて面倒くさい!!
それでも魔力を感じる事はできた。
なんていうか、悪寒?みたいな?
そう、イメージとしては悪霊に取り憑かれた感じだな。
なんだこれ。
ありがとうございました。
本文中において、スキル「健脚」を覚えた表記がないのは設定です。
主人公は、それどころではありませんでした。




