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巨大数による異世界介入  作者: 社畜を辞めたい
138/233

塔型迷宮攻略(~10層目)

02/27にも更新しております。

四話目です。

異世界転生117日目の昼前。


俺たちは塔型迷宮10階層への馬車に乗っている。

正確には犬ぞりだが。

飼い慣らされたウルフ系の魔獣が引いている。

護衛は6人、三人は御者台で休憩中だ。


護衛達は冒険者ギルドからこちらの素性を何か聞いたのだろう。

目線すら向けてこない。寧ろ、無視されている感じすらする。




まぁ、一日移動に使うので書類仕事をする。

最初に毒ガス、砲撃、狙撃、強襲の四段階の精査だ。

装備を変更すると、配備に時間が必要だからな。


魔人国は、物質を精製したり合成したりは得意だが、

それをどう使うか考える事は興味が無かったようだ。

利用法をしっかり見極めた方が良い。



魔人国の内戦時に爆撃機から投下していたのは毒ガスを充填した物だったな。


まずはジェット燃料に増粘剤を加えて、焼夷弾を作らせる。

更にアルミニウムの粉末と酸化鉄を混ぜた焼夷弾も作る。

前記の焼夷弾は酸素を必要とするが、テルミット反応は酸素を必要としないからな。

投下する順序が大切だ。


この二つで焼き払ってから、酸素を必要とした連中に対して、

魔人国製の毒ガス弾を投下しよう。

ガス自体は不安定だが、威力は高いからな。



次は、砲撃に関してだ。

榴弾砲による絨毯爆撃といえる攻撃だった訳だが、

破片効果を重視する設計に変更させる。


榴弾砲の爆薬はRDXを主成分としていたが、

魔人国が作っていた魔法金属の反応薬を混ぜて、爆風を強化する。

それに合わせ、近接信管と時限信管の調整もさせておく。


焼夷弾やガス弾によって削れなかった防御力の高い敵を目標とする。

熱を受け付けない敵や、空気を味方にしている敵もいるだろうからな。



次は、狙撃に関してだ。

砲撃でも削れない高い防御力を持った敵を粉砕する。


既に狙撃銃は対物ライフルと言われる大きさだが、初速が限界に来ている。

トリプルベース火薬等の火薬や爆薬では、熱に変換される割合が高いからな。


磁気浮上式鉄道に使った常温超伝導体を熱して帯磁、

常温に戻して超伝導状態にしてから、マイスナー効果を利用して加速、

初速マッハ10を目標に電磁投射砲を開発させる。


人間が単体で扱うには無理がありそうなので、

車に乗せてそのまま戦車の主砲になりそうだな。

まぁ、ケンタウルス馬車が頑張って運んでくれるかもしれないが。



最後に強襲だ。

これはドラゴンと魔人による混成部隊に頑張って貰うしかないだろう。

イリン率いる魔人国の諜報部隊の情報収集が上手くいけば楽になるとは思うが。

まぁ、魔人が易々と活動出来る場所じゃないからな。






異世界転生117日目の昼過ぎ。


俺たちは塔型迷宮にいる。

馬車に乗って、10階層目にある村を目指している所だ。


ウルフの集団に襲われて、護衛の数が半分になっている。

まぁ、護衛中だった奴らが全滅して、休憩中だった三人が慌てている状態だが。



「マイ、ララ、出番だ。」


「はい。お兄様。」


なんだか、久しぶりに「お兄様」とマイに呼ばれた気がする。

まぁ、指示を出した時は一番立場が高い者が返事をする決まりにしているからな。


マイが棍棒で叩き潰して、ララが剣でブツ切りにしている。

ララの剣はアヤさんとは違い、叩き切る系の剣術だ。

細身な腕に似合わず、獣人故の筋力なのだろう。


「陛下、護衛はどうなさいますか?」


「放っておけ。任務に失敗したんだ。」


この僅かな間でも、残り三人の護衛は役に立たなかった。

一人当たり十数頭は厳しかったのかもしれないが。


「ウルフが道を覚えているはずだ。

 アイン、御者を。」


「承りました。」


俺たちは残りの行程を消化して、10階層の村に到着した。

ありがとうございました。

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運営様からの削除通告があり、今は次作「対称性を破って現実⇔異世界変革」に夢中です。
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