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巨大数による異世界介入  作者: 社畜を辞めたい
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エスパルト王国と魔族

一話目です。

異世界転生114日目の昼過ぎ。


俺は帝都のある執務室に来ている。

フーリゲが重鎮らを集めている部屋だ。


あの公爵を初めとした高位貴族及びその代理、その他もいるようだ。

戦時に集まる主要閣僚とは違うが、

フーリゲにとっては彼らが腹心なのだろう。


「ジン、集めたけれど、話を聞いてもいいかい?」


「エスパルト王国の運命を左右するが、彼らでいいのか?」


「……これ以上ない者達だと信じているよ。」


「なら、全員着いて来い。」




「ジン、これはどういうことだい?」


俺は彼らを部屋に案内した。

腰が抜けている者もいるが、概ね好印象だ。

抜剣したり、魔法を放とうとしたりせず、

戸惑いの色を浮かべているだけだからな。

情報を漏らさぬように、巫女天狗を呼ばなくても良いようだ。


「魔族だ。と言っても、魔人が正しい名称だが。

 これが魔人国のトップ、彼女に属する巨人種、魚人種、樹木種の代表だ。」


首相には一晩で交渉を纏めさせた。

まぁ、元々俺の支配下にあった種族だから、

大した交渉も必要なかっただろうが。

巫女天狗の力も借りて、

彼女はあっという間に魔人の連邦国家を樹立した。


「魔人国は、魔族の国なのかい?

 彼女は、その、正気には見えないが。」


「俺が調教したからな。

 彼らは公国の属国だ。」


「……ジン!?

 君は自分が言っていることの意味が分かっているのかい!?」


「フーリゲこそ、現状を理解しているだろう?

 エスパルト王国と反エスパルト王国に分裂した大陸北部。

 残された未開拓とされる大陸南部。

 その大陸南部を支配する魔人国を紹介しているのさ。」


「紹介も何も、既にジンが支配しているんだろう?

 魔族を引き込んで、仮に国内の反発は抑えられたとしても、

 反エスパルト陣営から宣戦布告されることは間違いない!」


「そうかな?

 大陸の大部分を支配するエスパルト王国に、

 そう易々と戦争を仕掛けられるとは思えないが。」


「……確かに、魔人国を認めればそうなると思うよ。

 でも、一般的に魔族は野蛮で低俗な生き物とされているんだよ?」


「少なくとも、魔人国の首都は違うな。

 東ルーメン並の景色が広がっている。

 それに、大陸北西には魔人が治める国があったんだろ?」


「吸血種の国とかあったけどね……北方連合とエスパルト王国が最前線で、

 多民族王国や多民族帝国は関わろうともしなかったよ。

 彼らに、魔族の文明を理解させることは難しい。」


「難しくても構わないさ。

 開戦するかどうか、考える時間を作ってくれればな。」


「ジンは、戦争は不可避だと思っているのかい?」


「フーリゲこそ、回避できると思っているのか?」


「それは……早いか遅いのかなのかもしれない。

 それでも、相手に理由を与えることはないと思うんだ。」


「その理由に疑問符を投げつけてやれば良い。

 勇者に、エスパルト王国では魔人を差別しないと伝えるんだ。

 どちらの肩を持つか、楽しみだと思わないか?」


「……国をかけた賭けになりそうだよ。」


「心配いらないさ。

 勇者は必ず、魔人の味方になる。」


「……何か情報を掴んでいるなら、是非教えて欲しいな。」


「彼女が奴隷制に反対している以上、差別がお嫌いだと推察できる。

 エスパルト王国に敵対的な理由も、人類優位な社会だからだろう?

 勇者が何を目指しているのか考えれば思考は読めてくる。」


「ジンを信じるしかないのかな。

 エスパルト王国では獣人を差別しているんだけどね。

 ……寝る時間がなくなりそうだよ。」


「まぁ、僅かな時間を惜しんで戦争準備と洒落込もうじゃないか。」


「……その前に、魔人国のことについて教えてくれないか?」


「首相達に聞いてくれ。

 今後も数人が常駐する予定だ。」


「常駐って、帝都にかい?」


「もちろん。

 東ルーメンには大勢いるからな。」


その後のことは巫女天狗に投げて、

俺は帰ってお楽しみといこう。

ありがとうございました。


誰か出社するまで頑張ります。

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運営様からの削除通告があり、今は次作「対称性を破って現実⇔異世界変革」に夢中です。
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