悪魔種
三話目です。
誤字修正
”目の前は主に”→”目の前の主に”
異世界転生110日目の昼前。
俺は大陸最南端の悪魔の国の首都に来ている。
そして、技術の格差を感じる。
東ルーメンと遜色ない景色なんだが。
あのビルは45階建てだ。
他も高層建築物に溢れている。
「この都市って、どの位の年月存在してるの?」
「我が神よ。
凡そ三千年になります。」
うん、分かった。
悪魔種ってこの大陸の種族じゃないな。
場所からして、東の大陸の生き残りだ。
アンの時代から引き継がれた技術。
六千年は下らないな。
「次の対戦相手は、君かの?」
「そうです。」
俺は首都、首相官邸に来ている。
相手はこの大陸南部、東側を支配する魔人の長だ。
しかも、悪魔種と来た。
女ということは、こいつはサキュバスだろう。
まぁ、ダンピールから想像しただけだが。
「弟君から、聞いていると思いますが?」
彼女の周りには、マッチョが控えている。
気持ち悪い。
「邪魔かの?女が好みか?」
「えぇ、処女しか食しません。」
「分かった。其方の要望に応えようではないか。」
元々、準備はしてあったのだろう。
処女が三十人程、現れた。
「いい景色です。」
当然のように、彼女達は処女の証を見せつけて誘ってくる。
「何か、聞きたい事があるとか?」
「渡り人について、聞きたいです。如何な手段を執っても。」
俺は宇宙を簡単に消し去る程の魔力を生成する。
幾ら生成しても、俺の力を消費した感覚はない。
「……そんなに敵意をださんでくれ。
我々は渡り人に敗れて、この大陸に辿り着いたのだ。
四千年程、前のことだ。」
「貴方は、当事者ですか?」
「申し訳ない。私の父の代で、途絶えてしまったのだ。
しかし、渡り人の力については聞き及んでいる。」
「それでも尚、渡り人に従うのですか?」
「……刃向かうことさえ、無力だと聞いている。
それに、主の力を見てひれ伏さない物など存在しないであろう?」
「分かるのですか?」
そう、この力はエンシェントドラゴンにしか分からない程の隔絶した力だ。
普通に生活している魔人には分からないはず。
「私も悪魔としてこの国を率いているのです。
我々を滅ぼすことなど、主には造作も無いのであろう?」
うん、相当な修練を持って、この地位にいるらしい。
まぁ、数千年を生きた怪物には相応しいかもしれない。
「交渉の過程を省くなら、若い処女、それが望みです。」
「すぐに用意します。
私の末の娘が8の処女です。サキュバス故、積極的ではありますが。」
まぁ、体の成長を鑑みれば欧州人の8歳は日本人に換算すれば18に見えるからな。
遺伝子って差がある。
「いいだろう。生粋の乙女、つまり男に肌を晒したことのない処女ならば受けよう。」
「もちろん、そのような下賤な事は体験させておりません。」
「俺の方の調査でも確認している。
しかし、総代表を得るには対戦が必要だと聞いていたが?」
「ふっふふ……失礼。あなた様に、対戦するものなど存在致しません。
これ程の差、謹んで敗北を認めます。
いえ、それしか我が種族に生き残る術はないでしょう。」
「我が技術も加えて、発展を期待しよう。」
「ありがとうございます。
直ぐに主好みの処女を準備致します。」
「この大陸の北東で、勇者桜が活躍している話は聞いているか?」
「伺ってはおりますが、目の前の主に対しては些細な事かと。」
やばいな。気に入った。
ありがとうございました。




