代償
異世界転生107日目の昼前。
俺は魔人国の首都に向かっている。
エンシェントドラゴン姿のネプの頭上に乗ってな。
「ネプ、まだ昼にもなってないぞ?」
なんだか、ネプが寝ているような。
さっきからふらふらしている。
「うーん……もうむりぃ。」
おい。落ちてる!?
落ちてるから!
「アイン!」
「仰せのままに。」
キュンってなった。大事な所がキュンってなったぞ。
「吸血種は……大丈夫そうだな。」
コウモリに変身して、ネプから逃れたようだ。
アインが丁寧に降ろしたと言っても、潰れていただろうからな。
「はい。エンシェントドラゴン様はどうされたのですか?」
「どうなんだ?」
「眠っているだけかと思われますが、
何か影響を受けているのかもしれません。」
「……吸血種、本日は帰ってくれ。
この件は、日を改める。」
「はい。お待ちしております。」
異世界転生107日目の昼。
俺たちはネプの寝床に来ている。
エンシェントドラゴンになったネプのサイズだと、
寝かせておくだけで目立つからな。
イリン達も呼び寄せて、ネプの看病をしている。
まぁ、食料を口に突っ込む位だが。
アインによると、魔法で回復できない症状らしく、
俺の依代となった事が原因と思われる。
只でさえ短いネプの活動時間が、
これからは数刻になるのかもしれない。
俺に異変はないことから、
寝ている間も依代として働いてくれているのだろう。
それが更に、ネプの回復の妨げになっている気がするが。
待つしか無い。
異世界転生107日目の夜。
「ジン、おはよう。」
「ネプ!?おはよう。
起きてくれて嬉しいが、眠気は取れたか?」
ほぼ半日眠っていたが、
早速イリン達が作り置きしていた料理に夢中になっている。
「そうね……まだ寝られるわよ?」
「それはいつもの事だから!
昼のような、強烈な眠気は?」
「今は大丈夫よ。
ただ、あんまり起きていられる気はしないわ。」
今晩はネプが寝るまで可愛がろう。
まぁその前に、ロリ巨乳に変身して貰わないといけないわけだが。
……食事に夢中で気付いてないな。
異世界転生108日目の朝。
俺は東ルーメンで起きた。
乗っているのはネプだな。
もちろん、昨夜から俺好みに変身している。
「ジン、もっと!」
もっとも何も寝ていたんだが。
僅かに動いていたのは反射のはず。
先日から隣室が寝床になっていたリルエル達もいる。
昨日のことで、ネプが追い出したことに負い目を感じたらしい。
まぁ、おやつが決め手だったと思うがな。
異世界転生108日目の昼。
俺は東ルーメンの屋敷、その庭に来ている。
アヤさんと二人だけでな。
只管に、アヤさんの下腹部をなで回す。
まぁ、何の話かは想像がつくだろう?
「ジン、くすぐったいわよ!」
「嬉しくてね。」
「私も嬉しいけど、みんなに悪いわ。」
「種族が違うから、どうしようもなかったさ。
皆納得してるはず。」
異種族間の子供は出来にくいからな。
アヤさんだけは人類だったから、早くて当然だ。
まぁ、今の俺が人類に分類されるかは怪しいがな。
「そうですよ、アヤ様。
私達は寿命も長いので、気長に待ちますから。」
気長に待たれると、ネプがトロワになりそうなんだが。
うん、日々頑張るしかない!
ありがとうございました。
一ヶ月以内には更新したいです。




