獣公爵との謁見
異世界転生101日目の昼前。
俺は獣公爵領の直轄領の屋敷で起きた。
今日はアヤさんが乗っている。
「ま、まだ寝てなさいよ!」
「そんなこと言われても無理です。」
上下を逆にして、一気に責め立てる。
アヤさんは早々に登り切ってしまったので、続きはララと楽しむ。
「陛下、楽しみましょうね!」
因みに、リルエルは不貞寝している。
異世界転生101日目の昼過ぎ。
俺は獣公爵領の公都に来ている。
もう約束の時間だが。
ララと数回楽しんでしまったので余裕がない。
まぁ、正確な時間なんて存在しないんだが。
「冒険者のジンだ。
本日、公爵に呼び出されているんだが。」
「伺っております。
ギルドカードは御座いますか?……確認致しました。
それでは、案内の者が来るまでお待ち下さい。」
セント達と同様に城門から正規の手順で登城する。
案内の者と称して、完全武装の騎士が四人やってきた。
全員、獲物は槍だ。
「こちらへどうぞ。」
前後左右を挟まれながら、城内を移動していく。
冒険者の扱いなんて、どこもこんなものなのかもしれないが。
「ジン!遅いぞ!!」
俺は謁見の待合室に着いた。
騎士が八人、部屋の隅に並んでいるが、
それ以外は豪勢な部屋だ。
セント達の衣服が新しくなっているのは、巫女天狗の仕事だな。
彼らは明け方まで飲んでいた冒険者ギルドから、
ドラゴンによって速達されている。
流石に、武器は預けているようだ。
「すまない。昨日の今日だからな。」
「独りだけいなくなりやがって!
ど、何処行ってたんだよ!?」
「家に帰ってたんだよ。
マリンには会ってないから安心しろ。」
「そうかそうか。
それで、いきなり国王からの呼び出しとはどうなっているんだ?」
そんなに脈がないマリンがいいのか?
巫女天狗にマリンの警備をさせることにする。
何かあったら目覚めが悪いからな。
「セント、既に公爵になっていることを忘れるでないぞ。」
「ダイス悪かったって。
……それで、迷宮の最深部を攻略した褒美だと思うか?」
「莫大な報奨ならあり得るんじゃないか?」
「皆様、準備が整いました。
こちらへ。」
文官らしき案内の者が入って来たので、俺たちは謁見の間へと向かう。
元王宮だけあって、旧エスパルト王宮と遜色ない作りだ。
セント達は相当緊張しているようだが。
絨毯の敷き詰められた廊下を歩くこと暫し、暗い茶色の扉に案内される。
金具は金、文様は魔法金属で描かれている。
「冒険者のセント、ダイス、クーペ、……ジンに間違いないな?」
左右に控える衛兵が確認する。
一応、案内してくれた文官もいるのだが。
「間違いない。」
セントが大人しく対応している。
元同僚の気持ちが分かるという奴だろう。
衛兵が内部に合図をしている。
「お前みたいな奴が本当に冒険者か?」
みたい?奴?
右の兵が俺を見下している。
ここは礼儀が尽くされる場所ではないのだろうか。
「ジン!落ち着け!!」
「そうです!場所を考えて下さい!」
セント達を無視して、衛兵を扉に向けて蹴り出す。
もちろん、扉ごと突き破っていったがな。
ありがとうございました。
7月18日からの連休も、連続更新出来そうです。




