裏オークションの結果
オークションの下見も終えて、俺は王都の宿屋に戻ってきた。
王都に着いたのが昼だったので、もう日が沈みそうだ。
うん、分かってたさ。
ネプは、ソファーでだらしなく寝ていた。
スカートが捲れ上がって、中身が見えている。
本人は寝てるが、頂きます。
「お、お主はもうちょっと、慈しみというものをだな!」
ネプも楽しんでいたくせに。俺以上に。
「まあまあ。ネプってまんま人類の姿だけど、角だけ出したり、しっぽだけ出したりしないの?」
「できないぞ。そもそもこの小柄な体躯では、バランスが取れまい?」
そう言って、なぜ俺にまたがる。
そしてなぜ続きをしている。
はぁ、ネプと二人も今夜までだしな。
付き合ってやるか。
ところで、全部中だけど、ここから卵が生まれるのか?
謎すぎる。
異世界転生11日目の朝。
俺は、ネプと繋がったまま王都の宿屋で起きた。
いやいや、俺は分離してから寝たはずだ。
なにやっとるだこのエロドラゴン。
「ねぇ、どう?ねぇ?」
はいはい。朝立ちしてますからね。
さぁ、今日はオークションだ。
ハーレム作成だ!
まずは、商業ギルドで魔金貨1枚を白金貨100枚に両替して貰った。
この魔金貨は、金貨が集まらなかったためなので、両替手数料は要らないそうだ。
シュッタルト氏には、感謝しかないな。
裏オークションが先に開催されるので、そちらに向かう。
あ、ネプは寝だしたので宿屋に置いてきた。
なんか、周りにいる人間が危ない目しかしてないのだが。
やっぱり裏で取り扱われる商品には、それ相応の待遇がされるってことか。
司会がなにやら口上を述べているが、どうでもいい。
要は、裏取引だから後から文句言うなってことだろ。
さっさと始めて欲しい。
二人目は、おぉ、サキュバスか。
種族的には気になるが、豊満ムチムチボディは趣味じゃないんだよな。
日本で胸の大きいプログラマーは、段々萎んできてそろそろ頂きたい!
と、思う先から入院やら脱走やらで、手が出せなかったし。
最初から好みの体型がいいということだ。
六人目、やっとお目当ての吸血鬼だ。
銀色、いやむしろ白く輝く背中までのストレート。
紅の瞳に八重歯。いいね、八重歯!
胸は普通サイズだから、問題なし。
貫頭衣だから先っぽまで見えそうだ。
「次は、魔族の中でも特に強力な吸血種でございます。
最近行われたエルフ国との戦争において、王国の騎士団一つを壊滅に追いやった根源種の生き残り。
歳は15歳、初物でございます。まずは金貨10枚から!」
一気に決めよう。
「白金貨1枚」
おー。
会場がどよどよしてるよ。
そりゃ、いきなり値段が十倍になったら驚くだろうけど、なんだか碌な視線を感じない。
「白金貨1枚です。他にいらっしゃいませんか!?
では、白金貨1枚で成立とさせて頂きます!」
係の人間が札を持って来たので、すぐに精算して貰うことにする。
さっさと立ち去らないと、問題に巻き込まれそうだ。
館ごと消すならまだしも、ちまちました戦いはまだ出来ない。
「こちらに血液を頂けますでしょうか?」
舞台裏で、手続きをする。
何やら奴隷契約には血が必要らしい。
多分、差し出されたその刃物じゃ傷すら付かないんだが。
…。
仕方ない、噛み切ろう。
「こちらでお願い致します。」
痛い。思ったよりも血が出ている。
すぐに出血は止まったが、自分が痛いのは嫌いだ。
「これがお客様に落札頂きました吸血種のイリンフォースにございます。
名前の変更は致しますでしょうか?」
「いや、そのままでお願いします。」
「イリンフォースと申します。ご主人様、よろしくお願い申し上げます。」
おぉ、声を聞いてびびった。
甘々な声なんだ。
「あぁ、よろしく。」
とりあえず、俺が来ていたガウンを貸してあげよう。
俺は王都の宿屋に戻ってきた。
未だ寝ているネプを叩き起こして、イリンフォースの服や生活物資を買いに行かせた。
もちろん、お金はネプ持ちだが。
異世界物ではよく「こんな立派な服、奴隷には勿体ありません!」とかあるが、
この世界の奴隷は闇魔法による隷属の首輪だけでなく、
精神的な調教もしてあるらしく、主人の意向に沿う行動しかしないようだ。
俺としては、もっとフレンドリーな関係になりたいが、それはオークションが終わってからにしよう。
次は、最高級奴隷オークションだ。
ありがとうございました。




