第12話 幽霊屋敷
「暗いわね…しかも汚いし。」
別に昼間に行けばいいのに、何故か夜中に行くことになってしまった。
そっちのほうが雰囲気が出るとか俺は知らん。知りたくもない。
「懐中電灯の電池も無くなっちゃったみたいだし。ってあんた何それ?」
「懐中電灯だが。」
「長いし何それ?警棒?」
「まあそんなもんだ。」
実際警棒ってあったけどな…まあこれは警棒には使えないな、重いし、リーチはそんなに長くないし。
「なんでそんなん持ってるわけ?」
これでも昔は軍事オタクだったりサバイバルオタクだったりそういった時期があってその時に
衝動買いしたなんて絶対に言えないな…
「ま、別に良いわ。それより早く先に行きましょう?」
~~
進んでいくと、いくつか心霊現象とも思われる現象がいくつか発生していた。
ってか東堂はこんなところでも本を読んでるのか…とりあえず本をしまえ。
そんなことを考えている。だがここで分かった。これ仕込みだ。
おそらくオカルト研究部員総出で俺達を驚かせようとしているんだろう。何が目的かは知らないが。
ただ部長の桜井はそれに気づいているかどうかは知らない。
気付いているのか?気付いてなさそうだけどな。
「なんか…帰る?」
「え?ビビってるの?」
「べ、別にビビってないわよ!あたしは二人を心配して…」
「へー、だってさ東堂。大丈夫か?」
「平気。」
「ああ、そう…」
「そんでお前は大丈夫なのか?」
「あ、あたしは大丈夫に決まってるじゃない!」
「そうですか…もうネタばらししていいですよ。オカルト研究部の皆さん。」
「はぁ?あんた何言ってんの?って…」
やっぱりな。ぞろぞろと出てきた。ざっと10人くらいか?
「やっぱり気付かれちゃいました?」
「もっと細工したほうがよかったのかなぁ…」
「な、何これ…」
「桜井さん、気付かなかったんですか?」
「え……?も、もちろん気づいてたわ。」
嘘つくな。おい。
「そっか…」
「ん?……」
「それじゃあもうネタばらししちゃったし、帰りましょう」
「待ってください!」
「?どうしたのよ?」
「……金城君?」
「…僕たちの他に、誰かがいます。」
「え?どういうこと?」