第10話 取り戻された平和
「くそっ…風紀委員会共が…」
「ごめんね、でも風紀を乱す人を黙って見過ごすわけにはいかないから。」
「あ、あの…あなたは…」
「あ、前にも会ったっけ?」
「お名前は…」
「僕の名前は坂口唯。よろしくね。」
「は、はい」
「っともう時間がないようだ。気をつけて帰ってね。」
ああ…天使だ。可愛いじゃないか。どうやらこの学校のレベルは全体的に高いようだ。学力は平均だが。
「よお、何興奮してるんだ?」
「山口、お前…」
「何だ?まあ結果良かったじゃないか、ってあれは…」
「…誰だあれ」
「…生徒会…」
「あれが…?」
「ちょっと行ってくる」
そのころ
「ということで、見逃してくれませんかね?」
「生憎だけどそれは受け付けられないね。主犯の秋野さんがあなたと交際しているのは既に分かっているんだ。申し訳ないが、それはひいきと同等の行為だよ」
「…あんたなぁ…俺を誰だと思ってるんだ?」
「知ってるさ。瑠草敬二君だよね。」
「…チッ、覚えてろ…」
~~
翌日
突如クラス替え。東堂さんは結局他のクラスに行った。
また主犯の秋野やらその取り巻きも全員無期停学や退学らしい。
よかったよかった。これで平和が戻ってくる。
そんな日の部室。活動は最初の1件以来来ない。
「はぁ…何かないかしらね…」
「ないほうがいいだろ。」
「…」
「はぁ…でも良かったわ。」
「そうか?俺も東堂さんも重傷だったぞ?」
「…それでもよ」
「…お前って案外良い奴なんだな」
「何よ、嫌な奴だと思ってたの?」
「察しが良いじゃないか」
「…あんたねぇ…」
「ま、俺はこうやって雑談してるのが楽しいけどな」
「…ふふっ」
「あれ?何で笑ったんだ?」
「別に。何でもないわ。」
「何で俺にそんなキツイんだ。あれ?東堂さんどっか行くのか?」
「…ごゆっくり。」
ガラッ
「え?」