*1 始動 side haruka
この小説は以前別の場でも書いていました。またこの場をお借りして書き進めたいと思っています。
目を通していただけると幸いです。
恋をして、愛を知る。
それはどんな感情なのかな。
「紺野君・・好きです」
・・・・・・
「ごめん」
・・・・・・
気まずい・・・・
放課後の図書室。
私の前には先生に並べるようにいわれた
新札本約30冊と
今にも泣き出しそうな一人の女の子と
面倒臭そうに頭を掻く一人の少年
・・・気まずい
私が部屋を出て行こうかな、
なんて考えた時、泣きそうな顔した女の子は急に走って出ていった。
すごい・・・
涙でせっかく可愛い顔がぐしゃぐしゃだった。
「あー東条、消化悪いもん見せてごめんなー」
「・・・別にいいけど・・酷いね。紺野は」
「そう?だって俺あの子と付き合う気ないし」
「・・・はあ・・・それより図書委員ならちゃんと本並べてよ!」
「へーい」
仕事にうつる私達。
関係は只の図書委員。
そして目の前にいる男が
カッコイイ人だけで作られる御三家の内の一人
紺野尚哉
軽い男。
私にとってそれくらいしか彼について思うことはない
カッコイイだけじゃ好きになんてなれない
「あー終わったー!」
「私も終わった!」
少し暗い教室に二人
「なあ、東条」
「ん?」
「誰も居ないし・・・キスでもする?」
「はあ?!!」
思いっきり彼の膝を蹴り込んだ
「いってーーー!!!冗談だってのにー!」
「紺野が言うと冗談に聞こえない」
「なんだよそれ!」
「だって紺野軽いもん。空気より軽いよ絶対」
「俺そんな痩せてねえって!」
「・・・意味違うし、馬鹿」
「んだと?!」
お互い笑いあって
それが楽しかった
純粋に
私にとっては。
どんどん青春という
歯車にまわされていくなんて知らなかった。
知っていても・・・きっと止められなかっただろうけど。