表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/13

稲荷神社で・・・。

雨がやんだ。ほたるは傘を閉じた。

「さっさと帰れ」

大きな獣が言った。

「なによ。ここにいてはだめなの?」

ムッとしたように聞いた。

「お前、人間だろう?私が怖くはないのか?」

「そりゃあね。怖いけど。でも、私の事を食べたりしないでしょ?」

大きな獣がため息をついた。

「ふふ。妖怪とこんなに長くはなしたの、初めてだよ。あんた、名前は?」

大きな獣はじっとほたるを見つめた。そして突然・・・。

            どろん

小さな猫になった。

「わあ・・・。なんなの?その姿」

「気にするな。どちらも本当の姿だから。私は彪だ」

「私、ほたるっていうの」

猫姿になると、あまり表情が変わらない。

「では、ほたる。人の子があまりここへ、一人で来るんじゃない」

「なぜ?」

「ここは妖が多い。見えるお前なぞ、食われてしまうかもしれないぞ」

彪は目を細めてからかうような口調で言った。

「そうなの?忠告ありがとう。でも、ここはわたしの大切な居場所でもあるの。・・・ねえ、明日も来ていい?」

「私はここへは来ないよ」

そう言われても、ほたるは来るつもりだった。それが彪にも伝わっている。

「バイバイ、彪」

ほたるは手を振って別れた。

帰り道。かなりテンション高めで歩いていた。

「そこの人の子」

突然横から声がした。ほたるがきょろきょろした。

「おーーーい」

精一杯呼んでいる。声のする方を見た。そこにあるのは・・・。小さな祠のある稲荷神社だった。

「おーーーーーい。人の子ーーー」

小さな声。

「誰かいるの?」

ほたるは恐る恐る、足を踏み入れた。そして、祠の前に来た。

「えーーっと・・・」

「ここだ。こっち、こっち」

もっと下の方からだ。下を見ると・・・。

「ふう。やっと気が付いた」

「・・・わあああああああ!?・・・と。小さな妖怪か」

祠の下には、着物を着た小さなおじさんがいた。こういうのにも、もう慣れた。

「何か用?」

「うーむ。やっぱり、見えるのか」

おじさんが言った。

「見えるよ。私はほたる。・・・君の名前は?」

「私は葛の木。ほたる、少しの間、力を貸して頂きたい」

力を貸す?今までそんなこと、言われたことない。

「・・・厄介なことじゃ、ないよね。あまり関わりたくないような・・・」

「そんなこと言わずに。忘れられたこの場所に住んでる、わたしのたった1つの願いなのだ」

葛の木は泣きながら言った。ほたるも、泣かれてはかなわない。

「分かったよ。何すればいいの?」

「おお。ありがたい。手伝ってくれるか」

葛の木は大喜びしている。ほたるは、はあーっとため息をついた。

どうだったでしょうか。感想、意見頂けたら嬉しいです。

彪が猫姿の時の姿には、いろいろ理由がありますが、私の想像したのだと・・・。

尾が短いのは、野良猫時代にケンカして・・・。ということです。街中にそういう猫がいると悲しくなります。太っているのは、人間から解放されて、沢山美味しいものを食べたから、という設定にしています。

また、読んで頂けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ