表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/13

欠片を狙う妖 壱

私が割ってしまった。鬼水晶を・・・。

学校からの帰り道。ほたるは、考え込んでいた。


一昨日。葛のくずのき様が、それを知らせに来た。

「まずいことになったぞ」

彪も言っていた。

「砕け散れば、それを狙うものが出てくる」

ほたるは、必死に想像した。鬼水晶がどれほどのものか価値が解らなくても、これだけは解った。欠片を奪い合うために、恐ろしいことが起きてしまう。戦争だ。地獄絵図だ。


「た、ただいま・・・」

ようやく家に着き、玄関の引き戸をそっとあける。

「お帰り、ほたるちゃん」

今、ほたるがお世話になっている家の奥さん、芙美子ふみこさんが、出迎えた。

「ただいま、芙美子さん」

少しだけ笑顔で、ほたるは返す。とてもヤバイ状況だけど、すべて秘密だ。見えることも、割ってしまったことも。そしてもちろん、ひゅうのことも。

「ただいま・・・」

部屋の引き戸を開け、ため息をつく。部屋は、酒の匂いでいっぱいだ。原因は・・・。

「おお、ほたる。帰ったか。・・・やけにグッタリしているな」

「やっとか」

葛の木様と彪が、酒を飲んでいた。

「部屋で、飲み会しないでよ」

ほたるがため息混じりに言う。

「硬いこと言うな。お前が帰ってくるのを、待っていたのだ」

彪は、結構酔っていた。ほたるはため息をつき、鞄を置いて、彪と葛の木様のそばに座った。

「さて、始めるか」

葛の木様は、そこまで酔ってもいないらしい。今日は、砕けた鬼水晶について、今後どうするかを話し合うのだ。

「私が生きている限り、こんなことは無かったからな・・・」

葛の木様は、腕を組む。

「割ってしまったのは、私。大変なことになる前に、破片を集めた方がいいと思う。でも、どこに富んだか分からない」

ほたるは、少なからず、責任感を感じている。

「そうらぞ。ヒッ・・・。おい、ほたる、おれあらろうするんら。さらすのか?ヒック・・・。めんろくせえ・・・」

彪がなんて言っているかは、葛の木様と、ほたるには、解らなかった。

彪は、

「そうだぞ。おい、ほたる、これからどうするんだ。探すのか?めんどくせえ・・・」

と言おうとしたのだ。

そんな彪を無視して、葛の木様とほたるは、話し合う。

「もう既に、どこかの妖が、持っているかもしれん。集めるには、妖怪たちと戦わなければならない」

ほたるは、かなりの間、悩んでいた。

「ハッキリりろよ。ウリウリしよって・・・ヒック・・・。ライライ、おまーには関係の無いおろばありだ。ヒッ・・・ウイー・・・。おおっといても、いいおらろ」

訳「ハッキリしろよ。ウジウジしおって。だいたい、お前には関係の無いことばかりだ。ほおっといても、良いのだぞ」

彪が言っているけど、ほたるは、ガン無視だ。

関わったことで、芙美子さん達に危険が及んだら?もし途中で、命を落としたら?

考えれば考えるほど、すぐには、決断できない。

「少しだけ、考えさせてよ」

今は、そう言う事しかできない。

こんなふうにモタモタしている間にも、危険が近付いているかもしれないけど、でも・・・!!

ほたるは、手を握り締めた。


結局、良い結論が出せないまま、話し合いは終わった。


この晩、ほたるは、あまり眠れなかった。




こんにちは。

12部で、破片かけらも終わり、いよいよ大変なことになりました。

酒飲みで、あまり頼りにならないような、彪。

しっかり者の、葛の木様。

両親が亡くなっていて、引き取られたばかりの土地で、大変なことに巻き込まれてしまった、ほたる。

今後、一人と2匹はどうなるのでしょうか。

それぞれが、いい方向に向かうと良いですね。


特別編  ほたるの部屋

2階にあります。

田畑、森林、山と、色々見渡せる。

部屋の中は、比較的にスッキリしている。

(というか、ほとんど何も無い)

押し入れがあって、下には両親の形見などが。上には、布団が入っている。


以上です。

どうでもいいですけど。

読んでくださった方、ありがとうございました(笑)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ