第14話 水を捜せ!
「水が無い」
ヤバい事になった。
前回の雨で確保していた水が無くなった。
正直色々やってるうちに忘れてた!
「急いで水源を探さないと」
ダンテの果物があれば多少は水分を得られるけどククミスの分が確保できないし、なによりあれだけだけじゃやっぱり足りない。
雨水を確保できて油断していた。
「皆、手分けして水場を探してくれ!」
「ミッ!」
「ワウ!」
「ノココ!」
任せろと一斉に探索に向かう魔物達。
「ボウ」
「ジャラ」
大してカグツチ達は水が嫌なのか動く気配はなかった。
「まぁ拠点の防衛戦力も必要だしな」
せめて小川でも見つかれば煮沸消毒して飲めるんだけど。それとも真水も蒸留ってのをしないといけないんだっけ? アレは海水限定だっけ?
「あと普通に俺置いてかれたわ」
「フォルス様、暇ならこちら手伝って頂けませんか? モメンちゃん達が布をバラ撒いて遊んでるんです」
「はいはい、モメン、アラシ、スレッド、暇ならその布で鞄や服を作ってくれないか?」
「パレ?」
「ツン?」
「シュル?」
けれどモメン達は何それと首を傾げる。
もしかして袋や服が分からないのか?
他の魔物と違って遊んでたみたいだし、子供だからよくわからないんだろうか?
でも他の魔物はちゃんという事を聞いているし、ビルドは言われなくても建築技術を知っていた。これも何か条件付けがあるのか?
「服は俺やククミスが着ているこれの事だよ。これだと豪華すぎるから町で買って来たこっちの服を参考にしてくれ」
俺は土に埋めなかった着替えをモメン達に見せる。
「パレパレ」
ふむふむと頷くモメン達。
「袋はこれだな。これに背負う為の布をこんな感じで束ねて縫ってほしいんだ」
「ツン!」
「シュル!」
モメンのばらまいた布を袋状にして説明すると、アラシとスレッドが任せろと体の針と糸を動かす。
するとあっという間に簡単なリュックサックが出来上がった。
「おおっ、強度もバッチリ!」
試しに引っ張ったりして見たが、法制部分が解ける様子もない。
「これ、倒した魔物の皮でも袋を作れるか?」
「ツン!」
「シュル」
問題なしと二匹は倒した魔物の皮を弄り始める。
これなら水を入れる為の袋も出来そうだ。
「パレパレ」
対してモメンは着替えの服や俺達が今着ている服を調べて何かに頷く。
「パレッ!」
するとモメンの体の布がうねうねと動き出し隙間から新たな布が出てくる。
しかも今度の布は模様が付いていた。
「おお!? 違う模様の生地が出て来た!?」
「凄い! この子染色された生地を出しました! しかもこちらの生地には刺繡もされています!」
何それ!? コイツ縫製の工程をすっ飛ばして生地を作り出したの!?
「ふぅん、成る程、こんな事も出来るんですね。という事はアラシちゃん達と協力すれば高級ドレスの需要と供給も滅茶苦茶に出来るという事ですね……」
ほぅ、と恍惚の笑みを浮かべて新たな経済破壊を画策するククミス。
「もう魔物達の能力の把握はコイツにやらせればいいんじゃないかな」
正直世間知らずの俺よりもククミスの方が魔物達の能力の有効活用の仕方を考えてくれそうだ。
ただ、世の中が滅茶苦茶になりそうだから手綱はしっかり握らないといけないけどな。
「ミーッ!」
数時間後、やる気になったモメン達が大はしゃぎでドレスやテーブルクロスを作っていると、ダンテ達が帰って来た。
「お帰りー、水は見つかったか?」
「ミッ! ミッ!」
ダンテが興奮気味に頷く。
「おおっ! マジか! 案内してくれ!」
「……ミッ!」
が、案内を頼んだ瞬間、ダンテの声が硬くなる。
「ミミミミッ!」
そしてダンテが号令をかけると魔物達が緊張した面持ちで集まってくる。
「何だ何だ?」
俺は水場に連れて行ってほしいって頼んだだけなんだけど。
「ミミミッ」
「ボウ」
「ジャラ」
そんな中、何かを言われたのかカグツチとルピは竈に戻っていく。
どうやら留守番を任されたらしい。
「ワウ!」
「わたくしもお留守番ですか?」
ククミスも留守番を言い渡されたらしく家に戻らされる。
「もしかして危険な水のある場所って場所なのか?」
ダンテがここまで警戒するなんて、一体どんな場所なんだ……?
◆
「……フシュルルル」
そこは大きな泉だった。
巨大な魔物が中に入れるほどに。
「成る程、魔物の巣な訳ね」
しかもデカい。魔物のボスって奴か?
「……もしかして、俺ってアイツの生贄になる予定だったんじゃ」
考えられる。巨大な蛇の魔物なんていかにも主って感じじゃないか。
祭壇で儀式をしたらアイツが呼び出されて俺を人飲みしていたのかも……
アレにダンテ達は勝てるのか? 正直魔物はめっちゃデカい。こっちの方が数は上だけど、勝てるかと言われたら不安しかないな。
大きさはシンプルに脅威だし、一撃喰らっただけで大ダメージを受けるんじゃないか?
「作戦を練る為にも一旦撤退しよう」
「ミッ」
泉の主と戦う為、俺達は一時撤退する事にしたのだった。




