第1話:気づいたら異世界でフロント対応してた件について
あのーーまぁ初投稿なんです。
お手柔らかにお願いします。
異世界×ホテルってのを書いてみたかっただけなんです。
「……だからさあ! 風呂にスライムがいたんだってば!! 聞いてんのか、そこの人間!」
「…………は?」
目の前に、金髪マントで剣を背負った──
いかにも“勇者です”って顔の男が、顔を真っ赤にしてキレていた。
え、なんで俺、ここに立ってんの?
しかもスーツじゃなくて、なんか……茶色いベストとリネンのシャツ?
見回すと、カウンターの横には“フロント”って書かれた木の札。
後ろの壁には、ルームキーがぶらさがっていて、照明は……魔石?
完全に、異世界感。
「ちょっとユウくん? お客様お待たせしてるよ」
横から小突かれた。
ふと見ると、俺より小柄な狐耳の女の子──胸はやたらでかい──が、同じ服を着ていてネームプレートには
《リィナ》
「……?え?なにこの状況」
「大丈夫。こいつよく文句言ってくる変態だから」
(いやいやそんな当たり前に話されても…)
「さあ、接客して?」
「投げた!!??」
⸻
「失礼いたしました、お客様。お風呂にスライムが出た件について、詳しくお伺いできますか?」
なぜか口が勝手に動く。体が動く。
でも……動きに違和感がない。
まるでずっとここで働いていたみたいな感覚。
勇者は大声でまくし立てる。
「俺は風呂に入ろうとしたんだ! そしたらいたんだよ、スライムが! 湯船で背泳ぎしてたぞ!?」
「……ブロブさんですね」
横からすっと、リィナが口を挟む。
「当宿の清掃主任です。入浴設備のメンテナンスも兼任してまして」
「兼任て!お前ら清掃を人型の接客みたいに言うなよ!!」
俺は深く一礼した。
「誠に申し訳ございません。
ブロブ主任には今後、入室前のノックを徹底するよう指導いたします」
「ノックで済む問題じゃねえよ!?」
⸻
──こうして俺は、
なぜか異世界の宿でフロントに立ち、
勇者とスライムの風呂バトルに謝罪していた。
転生してまず最初にすることが、接客だとは思わなかった。
「……で、マジでここはどこなの?」
……どうでした?
今後こういう感じだといいなとか
色々感想いただけると幸いです。
更新は不定期になると思いますがよろしくお願いいたします。
Xはまだ始めてませんので開設したら
どこかで言います。