歪んだ聖戦、神への最終決戦へ
太郎の究極の選択が、世界の崩壊か再生かを分かつ。残された最後の希望と、彼らを待ち受ける真の敵との最終決戦。壮絶な運命の終焉を見届けろ!
健太一行は、数々の神殿からの追手を退け、禁断の遺跡や聖地を巡り、神々が隠匿してきたとされる知識や力を手に入れていく。それは、神の領域への道を示唆する古文書だったり、あるいは神の力を一時的に封じるための秘宝だったりする。彼らが進む道の先には、常に神の使者や、信仰に厚い者たちが立ちはだかった。
彼らは、世界樹の根元に位置する「忘却の森」を通過した。この森は、世界樹の古き魔力が淀み、神々によって忘れられた存在が彷徨う場所とされる。神々の創造の過程で、あるいは彼らの過ちによって生み出され、捨て去られた生命や、あるいは神に反逆し、その名を歴史から抹消された者たちの魂が、静かに蠢いているという。そこで彼らは、かつて神に背き、呪われたとされる古のエルフの賢者、フィーネと出会う。フィーネは、世界樹の根の奥深くに隠棲し、数千年もの時を生きてきた老いたエルフだった。彼女は、健太の瞳に宿る「無垢の瞳」の力に驚きながらも、彼の憎しみの根源に触れ、神々の真の姿について語り始めた。彼女は健太の心の闇を即座に見抜き、その歪んだ輝きに畏怖と同時に、僅かな希望を抱いた。
「神々は、この世界を遊技盤とし、人間や他の種族を駒として弄んでいるのだ。お前が受けた試練も、その一つに過ぎない。彼らにとって、我々の苦しみも喜びも、全ては観察対象であり、彼らの退屈を紛らわせるための娯楽にすぎない」
フィーネは、世界樹の奥底に封印されているという「創世の鍵」の存在を示唆した。「創世の鍵」とは、世界樹の魔力を完全に制御し、世界の法則すら一時的に書き換えることができるという、伝説の秘宝だった。それは、神を殺すための唯一の切り札となり得る。しかし、鍵の場所は神々によって厳重に隠匿され、辿り着くには神々の幾重もの試練を突破する必要があった。フィーネは健太に、その場所へと導くための古の地図と、鍵の起動方法を記した巻物を託した。彼女は健太の瞳の奥に、世界を変える可能性を見出したのだ。それは、フィーネ自身が果たせなかった、神への反逆の夢でもあった。
神の領域へと近づくにつれて、健太と彼を守る者たちを阻む存在は、より強大になっていく。もはや、通常の魔物や神殿の兵士の比ではなかった。神の使者である高位天使、神の加護を最も強く受けた聖騎士団長、そして神自身が創造したとされる聖獣たち。彼らは、神の絶対的な力を垣間見せるかのような、圧倒的な存在感を放っていた。
ガストンは、高位天使の圧倒的な力に対し、ヴァルゴの加護を極限まで引き出し、全身から血を噴き出しながらも、健太を守るために咆哮を上げた。彼の剣は、神聖な光を纏い、天使の光の翼を切り裂いた。彼は、健太のために死ぬことを喜びと捉え、その剣を振るうたびに肉体が限界を超えていくのを感じていた。彼の力は、もはや人間の限界を超え、神々の領域にまで達していた。
リリアは、聖騎士団長の繰り出す聖なる障壁を、原初の魔法の一端である「無色の爆炎」で蒸発させた。彼女の髪は魔力によって白銀に輝き、その瞳からは、神をも恐れぬ狂気的な意志が読み取れた。彼女は、健太に触れる者すべてを塵と化すほどの破壊衝動に駆られていた。彼女が放つ魔法は、空気を震わせ、大地を揺るがすほどの規模だった。
リアムは、聖獣の猛攻から健太を庇い、自らの肉体を盾としながらも、エリスの加護を攻撃に転用した「聖断の刃」で聖獣の核を貫いた。彼の体は傷つき、もはや立ち上がることすら困難だったが、健太を守るという執念が彼を突き動かしていた。彼の聖剣は神聖な輝きを放ち、聖獣の堅固な皮膚を容易く貫いた。
激しい戦いの中で、健太を守る者たちの命が次々と失われていく。彼らは、健太のために笑い、健太のために苦しみ、そして健太のために死んでいく。その死の間際、彼らの顔には満ち足りたような、恍惚とした笑みが浮かんでいた。彼らは健太のために死ねることが、この上ない喜びなのだ。その死は、健太の心に、微かな痛みを伴いながらも、より深い復讐の決意を刻み込んだ。
そのたびに健太は心の中で呟く。「お前たちの死は無駄にはしない。全て、あの神への復讐の糧となるのだ」。彼の『無垢の瞳』は、より一層輝きを増し、新たな犠牲者を求めるかのように、その力を増していく。彼の周りは、彼を守るためならば全てを投げ出す狂信的な者たちで埋め尽くされていく。彼らの生命の輝きが、健太の冷たい復讐心を燃え上がらせる炎となっていた。
そして、ついに、世界の中心にそびえ立つ、神々が住まうとされる「天上の神殿」へとたどり着く。そこは、光に満ち、神聖なオーラに包まれた、人の立ち入ることを許されない場所だった。神殿の入り口には、神聖な障壁が張られ、健太と彼の残されたわずかな狂信者たちを拒んでいた。




