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新しい信仰の芽生え

健太の言葉と、泉の水の奇跡は、人々の間でゆっくりとだが確実に広まっていった。彼らは、健太をかつての「異端者」としてではなく、「壊れた世界で唯一、希望をもたらす者」として認識し始めた。


そして、一部の者たちの間で、健太を新たな「神」として崇める動きが芽生え始めた。彼らは、健太の持つ『デバフ:最弱化』スキルを、世界を弱らせる「浄化の力」と解釈し、彼の「無垢の瞳」を、傷ついた魂を癒やす「慈悲の光」と見なした。彼らにとって、神がいなくなった世界で、健太こそが新たな信仰の対象であり、彼らの苦しみからの救済をもたらす存在だったのだ。


健太は、彼らの「信仰」に困惑した。彼は、自分が神を殺した罪を贖うために行動していただけであり、新たな神になろうなどとは微塵も思っていなかった。彼らの瞳に見える狂信的な光は、かつての仲間たちに見られたそれと瓜二つだった。


エリシアは、健太の困惑を感じ取っていた。

「健太様…人々は、健太様に救いを求めているのです。それが、健太様の新たな使命なのではないでしょうか?」


健太は、エリシアの言葉に答えなかった。彼は、自分がまた、他者の「信仰」と「献身」を利用することになるのかと、自問自答していた。しかし、この荒廃した世界で、人々がわずかな希望を見つけようとしている姿を見ると、彼らを突き放すことはできなかった。

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