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残された魂の灯火

崩壊した世界をさまよう健太とエリシアは、やがて巨大な裂け目が生じた大地の中で、微かに光を放つ場所を発見した。そこは、世界樹の根の奥深くに隠された、かつて「忘却の森」で出会った賢者フィーネが語った「原初の泉」へと繋がる道だった。フィーネは、世界樹の根源たる魔力が枯渇した際に、わずかな「生命の残滓」がここに集まるだろうと示唆していた。


健太は、自らの意思とは関係なく、その光に引き寄せられるように足を踏み入れた。そこは、世界樹の枯れた根が複雑に絡み合い、神秘的な光を放つ空間だった。そして、その中心には、輝く水が満たされた小さな泉があった。


泉の水は、かつての世界樹の生命力を凝縮したかのような、純粋な魔力を放っていた。その光景を見た瞬間、健太の脳裏に、彼のために命を捧げた狂信者たちの顔が、鮮明に蘇った。ガストンの雄叫び、リリアの魔力、リアムの祈り、そして、名もなき多くの信者たちの献身。彼らの魂は、健太の『魅了』によって歪められたが、それでも彼らが健太に捧げた「想い」そのものは、純粋なものだった。


健太は、泉の水をすくい上げ、その手を震わせた。この泉の水は、生命を育む力を持っているように思えた。それは、彼が破壊した世界を、わずかながらも癒やすことができるかもしれない、希望の光だった。


エリシアは、健太の傍らで静かに泉を見つめていた。彼女の瞳には、もはや健太への狂信だけではない、この世界の行く末を案じるような、新たな感情が宿り始めていた。

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