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第49話 ガロンの鍛冶場

「おおっ、こんなに採れたのか⁉」


 それから、俺たちは来た道を戻ってガロンの工房へと戻っていた。


 持てる分だけ持った鉱石や宝石は、一度ノエルの家に置いてきたので、ガロンに渡したオウライト鉱石も実は一部だったりする。


 本来なら、持ち帰ってきた分を全て冒険者ギルドで換金したかったが、一気に冒険者ギルドに持ち込むと色々と聞かれそうだったので、一旦ノエルの家で補完することにしたのだ。


 一気に冒険者ギルドに持ち込んで、せっかく見つけた鉱石や宝石の山のことがバレたら勿体ないしな。


 剣作りとか色々と終ったら、冒険者ギルドで少しずつ換金していこう。


 俺がそんなことを考えていると、ガロンが泥だらけになっている俺たちを見て数度頷く。


「まさか、そんなに泥まみれになってまで探してくれたとはな! ここまでやってくれるとは思わなかったぞ!」


 ガロンはそう言って、俺の背中をバンバンと叩いてきた。ガロンに背中を叩かれた痛みで目を強くつむりながら、口を開く。


「そ、そう言ってもらえて嬉しい限りですよ。それで、鍛冶場は使わせてもらえますか?」


「もちろんだ! さっそく案内してやろうじゃないか!」


 ガロンは上機嫌でそう言って、俺たちを鍛冶場に案内してくれた。




「ここが鍛冶場ですか」


「おおっ! かっこいいな!」


 俺たちが案内されたのは昔ながらの焼けた藁や灰の香りがする鍛冶場だった。


 重厚感のある炭素鋼などで作られている道具や、飾られている多くの種類の武器などが男心を強く刺激してくる。


俺も子供だったら、ノエルみたいに目をキラキラとさせてしまっていただろう。


「ああ。かっこいいだろ。本来は職人以外は入れない特別な場所だな」


 ガロンはそう言って胸を張ってから思い出したように俺を見る。


「そういえば、剣を作るんだったな? どんなのを作るのかはもう決めてあるのか?」


「ええ。昔から憧れている剣があるので、それに似せて作ってみようかと思っています」


 俺はガロンの言葉に頷いて、口元を緩める。


 昔からアニメや漫画に触れてきた身としては、是非とも使ってみたい剣があった。さすがに、性能まで一緒にはならないとは思うが、形だけでも似せられたらテンションが上がるというもの。


「ほー、それは楽しみだな。ちゃんと作れそうかい?」


「ええ。俺には心強いスキルがありますから」


 俺はガロンにそう言ってから、頭の中でとあるおっさんの力を想像してスキル『おっさん』を使用する。


『おっさんスキル発動:おっさん鍛冶師』


 そんな声が頭に直接聞こえてきたと思った次の瞬間には、使ったことがない鍛冶場の道具の使い方や、作りたい剣の使い方が頭に浮かんだ。


「よっし。それじゃあ、剣を作っていきますか」


 俺はそう言って、さっそく剣作りに取り掛かるのだった。


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