第48話 おっさん採掘家の力
それから、俺は一旦ノエルのいる場所に戻って、ノエルを連れて鉱石の山がある場所にノエルを連れてきた。
「おおおっ! なんだここ!!」
すると、ノエルは鉱石の山を見るなり興奮した様子で両手をブンブンと振っていた。
ここに来る道中、匍匐前進で結構な距離を進んだので服は泥まみれなのだが、ノエルはその汚れのことを忘れているくらいに興奮していた。
「おっさん! これ凄い大発見だぞ‼」
ノエルはバッと勢いよく振り向いてそう言ってきた。俺は頷いてから辺りを見渡す。
「ああ。思った以上のものを見つけたな。鉱石だけじゃなくて、宝石もあるみたいだし」
俺はそう言って、鉱石の山とは少し離れた所にある別の輝きを放っている宝石を見る。
おっさん採掘家の知識によると、あそこで光り輝いている宝石は結構な値段がするものらしい。
ただ鍛冶場を使わせてもらうためにここに来たのだが、それ以上の収穫が得られてしまった。
……ここにある鉱石を持ち帰れるだけ持ち帰って、それを換金すれば自分で作らなくても良い剣が買える気がしてきたな。
いや、逆に変えるという状況なのに自分で作るということに意味があるのか。
金がないから作るというのと、金はあるけど自分で作るだと意味が随分と変わってくるしな。
そんなこと考えながら辺りを見渡していると、ふと疑問が湧いて出た。
「というか、なんでこんなに鉱石がある場所がほったらかし状態になっているんだ? 街からそこまでは慣れている訳じゃないのだから、俺よりも先にここを見つけてる冒険者がいそうなものだけど」
これだけの鉱石や宝石をギルドや冒険者が放っておくだろうか?
俺がそんなことを考えていると、ノエルが『え?』といってから首をブンブンと横に振った。
「いやいや、普通の冒険者がここにくるのは無理だって」
「無理?」
俺が首を傾げると、ノエルは目を細める。
「おっさん気づいてないかもしれないけど、道中通って来た道結構険しいところあったからな。おっさんみたいに、ここに鉱石があるって言う確証でもないと、普通はあんな道通ってこないって」
「あー……なるほどな」
途中から黙々と進んでいってしまったから気づかなかったが、結構険しい道を通ってきてしまっていたらしい。
C級の冒険者のノエルがこう言うということは、ここまで来ることのできる冒険者というのはかなり少ないのかもしれない。
確かに、洞窟の中を散策する専門スキルと言ってもいい、おっさん採掘家の力がなければここまで来ることもできないし、来ようとも思わないかもしれない。
「とりあえず、ガロンさんに言われた鉱石と持てる分だけの宝石とか鉱石を持ち帰るか」
「おっさん! 帰ったら、お祝いしようぜ、お祝い‼ 高い肉とか買ってご馳走食べよう!」
「そうだな。これだけ鉱石とか宝石があれば、良い酒も買えそうだしありだな」
それから、俺たちは山ほどの鉱石や宝石を換金した後のことを考えながら、つるはしで慎重に削って、一旦持ち帰れる分だけを持ち帰ることにしたのだった。




