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第42話 おっさんクラフト3

「おっさん。どうしたんだよ、剣なんか見つめて」


 ある日。依頼を終えてから剣の手入れを終え、剣をじっと眺めているとノエルが不思議がるようにそんなことを聞いてきた。


「そろそろ俺も自分の剣を持とうかと思ってな」


「……なんだよ、父さんの剣じゃ不満なのかよ?」


 俺がそう言うと、ノエルは不満そうにむくれてしまった。俺は慌てて手を横に振ってから口を開く。


「いやいや、そんなことはないんだ。でも、剣って消耗費だろ? ノエルのお父さんの形見なのに、このままいくといつか俺が壊しちゃう気がするんだよ」


 いくらスキル『おっさん』のおっさん剣士が達人だからといって、剣を壊さない保証はない。


 というか、色んなおっさんの力と掛け合わせた技とかも使っているので、普通に使う以上に剣に負担をかけている気がする。


「別にそんなこと気にしないでいいぞ」


「いいや、ノエルがそう言っても俺が気にするって。これは、ノエルが大きくなったときに使ってあげた方がいいと思う」


 さすがに、知らない奴に形見をぶち壊されたら、ノエルのお父さんだってたまったものじゃないだろう。


 俺だって、そんなことになったらこの家に居づらくもなるしな。


「じゃあ、おっさん剣買うのか?」


 俺はノエルの言葉に少し考える。


 異世界の武器屋で自分好みの剣を買うというのもいいが、剣は結構値がするものだ。お金も溜まってはきてはいるが、使わないに越したことはない。


「そうだなぁ……買うのもいいけどせっかくスキル『おっさん』があるのなら、作るのもいいかもな」


 異世界物のアニメとかラノベとかで、主人公が自分の刀と作ったりしている場面がある。その主人公たちはクラフト系の特別なスキル持ちだったりするのだが、スキル『おっさん』ならそれらの主人公に負けないような剣を作ることができるだろう。


 だって、その道のおっさんの力を得られるわけだしな。


「おっさん、剣も作れるのか!」


 すると、ノエルが興奮した様子で俺のもとに走ってきた。


 どうやら、剣とか武器を作るのがかっこいいという認識は異世界でも共通のものらしい。


「ああ、多分作れると思うぞ。毎度のことながらやったことはないけどな」


 俺はスキル『おっさん』を使って、剣を作るのに必要な知識を持っていそうなおっさんを想像する。


『おっさんスキル発動:おっさん鍛冶師』


  すると、そんな言葉が頭に直接流れてきた後、鍛冶職人の知識が頭に流れ込んできた。


 ……うん、どうやら剣を作ることに問題はないらしい。


「とりあえず、鍛冶場がないことにはどうしようもできないか」


「おっさん! 鍛冶場なら街の端にあるぞ! 小さい工房があるんだ!」


「そうなのか。じゃあ、試しにそこに言って鍛冶場を少し使わせてもらえないか聞いてみるか」


「おっさん、案内するぜ!」


 ノエルは興奮気味でそう言うと、俺を急かして鍛冶場へと連れていくのだった。



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