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第33話 巣の駆除と誤爆?

「これで巣の駆除は完了で平気ですかね?」


 俺はおっさん探検家の力を使って、巣の中にいるイワネズミたちの気配が完全に消えたのを確認してから、グラムを見て口を開く。


 すると、グラムさんはハッとしてから、何度も頷いた。


「完璧です! 巣を爆発させると聞いたときはどうなるかと思いましたが、お見事としか言いようがありません!」


 グラムさんは興奮した様子でそう言って、さっきまで巣だったところを見つめていた。


 巣の中がどれだけ深かったのか、どれだけ複雑だったのかは分からないが、適切なガスと酸素の量を調整することができた。


 一歩間違えれば、俺たちも巻き込まれていたかもしれないし、まさにベテランの技といった所だろう。おっさん害獣駆除業者の力のおかげだ。


 そして、それ以上に凄いのがおっさん超能力者の力だ。


 巣の中の酸素濃度を調整したり、ガスを充満させたりとか、俺の知っているスプーン曲げをする超能力者とはレベルが違い過ぎる。


 一体、どこの世界の超能力者なのだろうか、このおっさんは。超能力バトルとかしてるタイプのおっさんな気がしてならない。


 俺は自身のスキル『おっさん』の力に驚きながら、辺りに魔物が来ていないからおっさん探検家の力を使って確認しながら口を開く。


「あとは、イワネズミを捕食しようとしている魔物たちの討伐とかですか?」


「いえ、そっちは大丈夫です。イワネズミがいなくなったので、しばらく放置していれば勝手に散っていきますから。あんまり我々が動き過ぎても、冒険者の仕事を奪ってしまいますので」


「なるほど。それならよかったーーん? 何か凄勢いで迫ってくるぞ」


 依頼が終わった安心感から胸をなで下ろそうとしたところ、おっさん探検家が魔物の気配を捉えた。


 それも、一つや二つではない、複数の魔物の気配がこちらに向かっていた。


「おっさん、魔物か?」


 俺はノエルの言葉に頷いてから、こちらに向かってきている魔物の気配に集中する。


 すると、その魔物の姿が気配を通してぼやーっと分かってきた。


「蜂? イワネズミくらいの大きさの蜂が複数体と、それを数倍の大きさにした奴が一体いるな」


「イワネズミの近くに蜂? もしかして……ジャイアントビーか」


「ジャイアントビー?」


 ノエルは嫌なことを思い出すように顔を歪ませて、俺と同じ方向を向いて剣を引き抜いた。そして、ノエルの言葉を聞いた憲兵たちが分かりやすく取り乱し始めた。


「ノエル。ジャイアントビーって、どんな魔物なんだ?」


「土とか岩山の中に巣をつくる大きな鉢の魔物だよ。あいつら、毒を持ってるから刺されるとしばらく麻痺した状態になるんだ。群れの女王に刺されると、数日は動けなくなる」


「……土に巣を? もしかして、俺が巣を爆発させたときに、ジャイアントビーの巣もろとも壊したってことか?」


 話によると、イワネズミの巣というのは複雑な形をしていて入り組んでいるらしい。もしも、その巣がどこかでジャイアントビーの巣と繋がっていても、おかしいなことではない。


 いや、もしかしたらその巣の駆除も含んで、おっさん害獣駆除業者が爆発させてしまおうと考えたのかもしれない。


「グ、グラムさん、申し訳ありません。ジャイアントビーの巣もろとも駆除してしまったみたいです」


「い、いえ、むしろこちらとしては好都合なので、問題ありませんよ。ジャイアントビーの巣は駆除対象ですから。しかし、向かってくるジャイアントビーたちをどうにかしないとですが……」


 徐々に岩山から見えてきたジャイアントビーの群れが見えてきたのを見て、グラムさんは顔を引きつらせていた。

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