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第32話 おっさん流、害獣駆除

「そんな方法があるんですか。いや、できるならお願いしたいですが、可能なのですか?」


「おそらくですが、専門家の知識によればできそうです」


「専門家……分かりました、そういうことでしたらお願いしいます」


 グランは何かを考える素振りをしてから、ちらっと俺に意味深な視線を向けてから頷いた。


 さっき、道中で過去のことを聞かないでくれと言ったせいなのか分からないが、勝手に色々と察して変な誤解を生んでいそうだ。


 何か色々と勘違いをさせている気がする。後で機会があったら、俺のスキルのことをちゃんと教えておこう。


 俺がそんなことを考えていると、ノエルが俺の腕を掴んで揺らしてきた。


「おっさん、おっさん。何する気なんだ?」


「巣を爆発させるんだ。ノエルたちは離れていてくれ」


「巣を爆破? ……え?」


 ノエルは俺の言葉を聞いてぽかんとしてから、聞き間違いでもしたかのように聞き直してきた。


 確かに、俺も釣れがいきなり巣を爆発させるとか言い出したら、同じような反応をするかもしれない。


 それでも、多分これが一番効率的な方法なのだと思う。


 海外などでは今だに効率的な方法として使われている、ガスと酸素を巣に注入して転化させることで、巣を爆発させてネズミの巣を駆除するという方法だ。


 あまり日本では使われていないが、海外では実際に使われている方法らしい。


 ……と、おっさん害獣駆除業者が言っている。


 問題があるとすれば、ガスと酸素をどうやって巣に送り込むかだ。


「昔、酸素とかガスで巣の中を満たすって、おっさんにできるのか? 物は試しってところかな?」


 空地中にガスを萬栄させるなら、魔法がいいのか? 錬金術とかがいいのか?


 俺は色々と考えて見てから、一つのアイディアを思い付いてスキル『おっさん』を掛け合わせて宇ことにした。


 俺がそのおっさんのスキルを頭に思い浮かべながら、スキルをおっさん発動させる。


『おっさんスキル発動:おっさん害獣駆除業者×おっさん超能力者』


 そんな声が聞こえて、俺の頭には巣の中の空気を酸素やガスなどに変える方法が頭の中に浮かんだ。


 それから、俺はそっと巣に近づいていき、片腕を巣の中に入れて『おっさん超能力者』の力を使って、巣の中に酸素やガスを充満させていく。


「お、おっさん? しばらく黙り込んでるけど大丈夫か?」


「ああ。問題ない。もう少しだけ待っていてくれ」


 俺は時間をかけて集中して巣の中をガスや酸素充満させていた。それからしばらくして、『おっさん害獣駆除業者』の力で十分にガスや酸素を充満させることができたことが分かったので、俺はその場から急いで離れた。


「みなさんもっと離れてください。もっと、もっと」


 俺は憲兵たちを極力遠ざけてから、おっさん魔法使いの力を使って小さな炎の玉を作って巣に向かって投げ入れた。


 ドガアアアアァァン!!


 すると、巣の入り口に近づいた火の玉は、カッと光って巣の中を爆炎で満たし、そのまま爆風と爆発の衝撃で一気に巣を崩していった。


 後に残ったのは、爆発の音と焼かれたイワネズミの香りと、爆発で発生した煙のみとなった。


「お、おっさん、どんだけ凄いんだよ! イワネズミの巣が一撃じゃんかよ!!」


「イワネズミの巣が一撃……こんな才能の塊が今まで世に出てこなかったことなんて、ありえるのか?」


 俺が振り向くと、きらきらした顔で俺のもとに駆けよってくるノエルと、驚き過ぎて唖然としているグラムたちの姿があった。


 少し、やり過ぎてしまったかな?


 こうして、俺はスキル『おっさん』を使った結果、本来では終わるはずがない速度でイワネズミの巣の駆除を終わらせることができたのだった。


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