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Chapter 1 第五章「忘れぬ悪夢からの目覚め」

「ソーズマン教官。俺達が卒業したら調査班に複隊するらしいぞ」

「マジかよ。まぁ調査班は軍師職が足りないからなぁ〜」

「教官って32歳だったけ?現場でやれなくもないな」

「元々は怪我のリハビリで教官職に就てたって話らしいぜ。だから複隊は、最初から決まってたんじゃないか?」

「お前らさぁ〜。もう少し緊張感ってのを持てよ。一応俺達は通路守備の応援で来てるんだからな」

「ルーカスは硬いなぁ〜」

「怪物の大規模侵攻とは言え、そもそも奴らがこんな地下通路を通って来るわけないだろ」

「だがルーカスの言う事にも一理ある。ソーズマン教官だって言ってるだろ」

「ゴブリンタイプなら、確かに来る可能性はあるな」

「ゴブリンだろ?。大した事無いって」

パークレイがそう言った瞬間、通路全体に響き渡る様に警笛が鳴り響いた。そう、奴らが来たのだ。

すぐさま武器を構える男達、銃口を向ける先では凄まじい数の銃声が鳴り響いて居た。

だがその銃声が少なくなるにつれ、悲鳴が増える現状に、男達は混乱を隠せなかった。

「何だ⁉︎。一体何が⁉︎」

「何が起こってんだ⁉︎」

「チクショ!いつも威張り散らしてる先輩達は何をやってんだよ!」

トーマスがそう言った瞬間、銃声と悲鳴が鳴り止み、静寂が彼らを包み込んだ。

「クッソ!クッソォ!。何が起きたんだ!」

「・・・俺が見て来る」

「1人で行く気かよ!」

「ブラックバーン、ワイミー、一緒に来い。ウィルス、援護頼む」

そう言ったルーカスはブラックバーンとワイミーと共に男達から離れ、通路の奥へと進んだ。

3人の足音だけが鳴り響く通路。するとブラックバーンは何かを察した様に上を向いた。するとブラックバーンの左肩に血が数滴落ちて来た。

次の瞬間、ブラックバーンは天井に銃口を向けると引き金をショットをばら撒いた。

「!」

20発程撃って引き金から指を離したブラックバーンの目の前に、血塗れのゴブリンタイプが5体落下した。

「上から来るぞ!気を付けろ!」

ルーカスは何かを察した様に後ろに居る同期達に叫んだ。だが時既に遅く、大量ゴブリンタイプが彼らの頭上に降り注いで居た。

「ッ!」

すぐさま戻ろうとする3人。だが前方からもヒューマンタイプの群れが迫って居た。

「食い止める!先に行け!」

そう叫んだワイミーにヒューマンタイプを任せた2人はネモ・コマンドーを乱射しながら同期達の元へ戻った。

だが時既に遅くだった。2人のもとに行こうとするウィルスを最後に、後ろに居た筈の同期は全員惨殺された。

怒り狂った2人は発狂しながらゴブリンタイプを次々と撃ち殺した。

2人のネモ・コマンドーがエネルギー切れでオーバーヒートを起こすと同時に、ゴブリンタイプは全員息絶えていた。

肩で息をしながら過呼吸になるルーカスを他所に、ブラックバーンは目視でゴブリンタイプ含めた全員の死亡を確認するとその場に跪いた。

「こっちは片付いたぞ!。そっちh、ッ!」

同期の死体の山を前にしたワイミーは思わずネモ・クルツを落とした。そしてその場に崩れると只管に叫んだ。

ルーカスは徐々に息を整えるとその場に座り込み「何故こうなった....」と呟いた。

「殺してやる....」

「⁉︎」

「1匹残らず、地獄に叩き落とす....」

ルーカスは息を整えながらブラックバーンの方を向くとすぐさま目を見開いた。

ブラックバーンは、後ろ姿でも分かるほど、怒りと悲しみ、憎しみに満ちて居た。



「ルーカスさん!起きて!。ルーカスさん、起きて下さい!」

「⁉︎」

「私です!シャルロッテです!」

ベッドから飛び起きる様に身体を起こしたルーカスは息を切らしながら谷間が見えるぐらいに胸元の開いたタクティカルメイド服に身を包むシャルロッテの方を向いた。

「シャルロッテさん⁉︎。何故俺の部屋に」

「キョウカ班長が招集を掛けてます。0900までに、ブリーフィングルームに集まれと」

ルーカスは「わかった」と言ったのち両手で顔を擦ると荒く深い息を吐いた。

「相当魘されてた様ですが....」

「・・・昔の、な....」

「・・・」


シャルロッテを見送り、部屋のドアを閉めたルーカスはスピーカーに繋げてあるミュージックプレイヤーの電源を入れ、音楽を聴きながらシャワーを浴び、下着を見に纏うとサポーターの類いを手に取ったのち“破れてないか”・“機能性はまだ生きてるか”などを1つ1つ確認してから身に付けた。

「悪夢....か....」

そう呟いたのち専用のハンガーに掛けられた洗い晒した濃い緑色の外征隊員用のツナギ服を身に包むとショルダーパット付きタクティカルベルトを背負ってから腰に巻き付けたベルトの金具を止めるとその金具部分を隠す様にポーチを付けるとショルダーパットの上からタクティカルベストを身に纏い、ベストにもポーチを付けた。

「・・・昔よりは、手際良く付けれる様になったな....」

荒い息を吐きながらそう呟いたルーカスはセキリュティロッカーに近付くと網膜認証とパスコード入力でロッカーを開けると”未来を見た旧人類の産物”である“鞄の書”と“記憶の書”を取り出すとタクティカルベルトの腰部分にあるウエストポーチにしまった。

その後ルーカスはロッカーの端にある金具を外し、護身用として支給されている“スリング付きセミオートカービンライフル”を引き抜くと、マガジンを一度抜き、チャージングレバーを2回引いたのち3回目でゴミ等が無い事を確認するとをマガジンを戻し、安全装置を掛け直してからライフルを右肩に背負ったのちスリングを右手で抑えながら、左手でロッカーを閉めた。

「おっと。いけねぇいけねぇ」

部屋の電気のスイッチに指を掛けたルーカスはそう呟いたのち机の上にあるノートや資料を閉じ、元あった場所に戻すと”未来を見た旧人類の産物”1つである“多目的ボード”を開き、中身が全てある事を確認したのち“消しゴム付き鉛筆”・“消しゴム”・“鉛筆削り”・“防水性メモ帳”・“コンパス”・“魔力ペン”・“伝達用紙”・“ボード本体”に異常が無い事を確認するとそれを閉じたのちタクティカルベストの背中にある専用の収納ポーチにそれを納めた。次にオイルライターを手に取り、使用可能である事を確認するとベルト左側にある専用ケースに納めた。最後にフラッシュライトを充電器から外し、全ての点灯モードが正常に動く事と“ガラスブレイカー”や“本体”、“クリップ”等に異常が無い事を確認したのちベルト右側の専用ホルスターに納めると音楽を止め、電源プラグを抜き、デスクライトを消したのち、部屋の扉を開け、部屋の電気を消すと、部屋から出て行った。

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