開かずの間
これは私が小学生の頃、引越しをした時の話…。
下見に行った時から、気になっていたそうなんです。
作り付けの下駄箱なんですが、何故かビニールテープでがっちり目張りされ、取っ手もぐるぐる巻きにされている。
気になりつつも、引っ越し。
家の中の片付けが落ち着いた頃、母がおもむろに宣言しました。
「開けるぞ」
うちの母は心霊現象とかを信じないタイプの人です。
開けたかったのは、ひとえに「気味が悪いだろ、あんな格好」
で。古くなって、酷くベタつくビニールテープをどうにかこうにか剥がした結果…「ギィヤー!!」大袈裟ではなく、母は叫びました。
そこには…母がこの世で最も忌み嫌う、ネズミの死骸があったのです!
私は別に平気なので
「片付けようか?」聞いたのですが、母は「ダメだ、ダメだ、こんなバイ菌だらけのもの…あぁ、でも、どうしよう!?」
困惑してると不意とピンポンが鳴りました。
母の友人、Cさんでした。
彼女は事情を聞くなり、
「私が片付けるよ。うちで捨ててあげる」
そうしてあっさり片付け、去って行ったのです。
後日お礼に、彼女の為にお菓子と旦那さんにビールの6缶パックを持って、お礼に行きました。
それくらい、感謝だったのです。
ちなみにネズミの死骸以外はなぁんにもありませんでした。
…前の住人もネズミ嫌いだったのかな…。