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ショッピング1

「ねえねえかずくん。今週末、買い物に行かない?」

隣の席の穂波が話しかけて来る。ちなみに今は1時間目の授業中だ。

「授業聞けよ。」

「え~。つれないね、かずくんは。授業聞くなんて真面目か。」

「真面目キャラで行かせてもらってます。」

「そっか。じゃあ休み時間に話そっか。」

「オッケー。」

その後、俺だけ先生に注意された。穂波を見ると、静かに爆笑していた。納得出来ん。


「つまらない授業も終わったことだし、買い物デートの話でもしよっか。」

「つまらないって言うなよ。まあつまらないけど。」

「どこ行く?」

「この辺にショッピングモールってあったっけ?」

「じゃあ、あそこ行きたい!最近できたアウトレッド。」

「いいんじゃないか?」

俺たちが買い物デートの計画について話し合ってると、陽菜が話しかけてきた。

「ねえ、ボクらもご一緒させてもらえないだろうか。いわゆるダブルデートってやつだね。一度、やってみたかったんだ。」

俺はチラッと穂波の方を見る。うん、あいつも同じ考えだな。

「俺らはいいよ。アウトレッドでいいか?」

「ボクらはそれでいいよ。連絡用にLIME交換しとこうか。」

「そうだな。」

俺らはLIMEを交換し合った。

「って、俺まだ穂波と交換してないじゃん。」

「あっ。」

陽菜があきれている。

「君たち、カップルなのに連絡先を知らないって。夜とか寂しくないのか?」

うーん。なんていえばいいか。俺たち、同居してるからいつでも会えるんだよな。俺がどう伝えるか悩んでいると、

「ううん。私とかずくんは同棲してるの。だからいつでも会えるんだよね。」

穂波が爆弾を投下した。おそらくクラス中に聞こえてるだろう。また昨日のようもみくちゃにされるのだろうか。が、クラスの誰も何も言ってこない。

「あれ?てっきり質問攻めにされるかと思ったのに。」

俺が理解できずにいると、陽菜が解説してくれた。

「君たち、昨日ずっといちゃついていただろう。みんなそれを見てこれはお似合いだと納得してしまったらしくてね。見守るようにしたらしいよ。」

「なろほど。良かったのか?」


「早く起きろ。遅刻するぞ。」

「ええー。まだ寝てたい。」

今日は陽菜たちと買い物に行く日だ。いつも通り穂波は起きてこない。流石穂波だな。

「おいてくぞ~。」

「え!ちょっと待ってよ!おいてかないで!」

穂波が泣きついてくる。こうなるなら初めから起きればいいのではないか。



俺達は全速力で集合場所の広場まで走っていた。時計を見るとちょうど1分前だった。

「ふう。ギリギリ間に合った。」

「本当にぎりぎりだよね、いつも。学校でも走って登校してくるみたいだし。」

陽菜と銀司があきれている。陽菜も私服でかわいくなっている。銀司もさらにイケメンになった気がする。それに比べて俺たちは。穂波はギリギリ準備が終わったが、俺は洗い物や洗濯をしてたからほぼいつも通りだ。

「清和。穂波ちゃんに迷惑かけたら愛想つかされるよ。今日も寝坊したみたいだし。」

銀司が煽ってくる。そうか、俺が何もできない人だと思われてるのか。

「ちげーよ。俺が穂波に愛想つかすんだよ。こいつ、何もできないし。」

「かずくん!?私頑張るから!?愛想つかさないで!?」

穂波がほぼ泣いてる。だが知らん。こいつの学校での評価が異様に高いことだけは許せん。いつも授業中は寝て、宿題はやってこないくせに。

「「あっ…。」」

陽菜と銀司は何かを察したらしい。もっと真っ当なと評価になるべきだ。

「まあ、行こうか。」

俺たちはアウトレッド行きにバスに乗り込んだ。



「ようやくついたな。」

俺たちはかれこれ1時間ほどバスに揺られていた。

「結構遠かったね。どこ行く?」

「いきなりで悪いんだけど、穂波君を借りてもいいかな?」

「えっ?まあいいけど。俺は銀司と周ってるわ。」

「銀司もそれでいいかな?」

「俺もいいよ。」

俺たちは2グループに分かれて店を巡ることにした。

「早速だが清和。本屋にでも行くか?」

「別にいいが。どうした?」

「いや。あっち系の本でも買おうぜ。」

「ちょ、それは…。」

「照れんなって。お前もどうせ好きだろ。」

「そうだけども。穂波に見られたら…。」

「まあまあ。」

「ちょっと待てー!」

その日、首根っこをつかまれ本屋に連れていかれる男が目撃されたとさ。ちなみに銀司と本屋で買ったのは普通のライトノベルだった。なんだよあっち系って。

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