返事
「校長の話、めっちゃ長かった。」
入学式が終わり、クラス発表の時間になった。
「あいつ、いるかな?」
クラス発表の紙を見る。しかし、あいつの名前はなかった。
「はぁ。あいついないのか。」
高校受験だし、ほかの高校に行ったのかな。
▲
俺は一組だった。黒板に『席は俺が勝手に決めといたぜ☆彡byこの組の担任長田孝太郎』と書いてあった。
クラスメイトは決められたについていろいろ騒いでいる。俺の席はおっ、一番後ろの窓側の席か。俺が席に座ると、隣の席に美少女が座った。
「おはよう。」
そう彼女は話しかけてきた。きれいな腰まである黒髪ロングヘアとなかなかにうん、大きな胸。それに誰が見てもきれいと思うるような美貌。こんな人いたっけ?5年もいないとこの町も変わってるんだな。
「あいつ、あの"氷の女王"に話しかけられてるぞ。」
クラスメイトからすごい視線を向けられている。そんなに彼女に話しかけられるのってすごいことなのか?俺は普通に話しかけられたんだが。
「お、おはよう。」
美人に話しかけられるって緊張するな。
「隣の席だね。」
「う、うん。」
この日は軽くホームルームをやって終わりだ。
「ホームルームを始めるぞ。」
教室に教師が入ってきた。
「俺がこの1年1組の担任を務める長田孝太郎だ。というわけでまず、自己紹介から始めるぞ。というわけで1番の青木から。」
長田に呼ばれた青木から自己紹介を始める。
「じゃあ次のやつ~」
長田の間抜けな声が響く、と隣の席の彼女が立ち上がった。
「私は秋元穂波です。これから1年間よろしくお願いします。」
へえー。あの子も穂波っていうのか。はぁ、五年前を思い出すな。
その後、俺の番が回ってきた。
「俺の名前は夏井清和です。5年前までこの町に住んでました。もしかしたら昔知り合っていた人がいるかもしれませんが、これからよろしくお願いします。」
ふぅ。久しぶりに人前で話したけど、かまずに言えた。前の学校では誰とも話さなかったからな。
クラスメイトの残りの自己紹介が終わり、ホームルームが終わった。
「じゃあ、帰るか。」
俺が帰ろうと席を立つと、隣の席の彼女が話しかけてきた。
「あっ、あの!お話、いいですか?」
突然話しかけられてめっちゃ焦った。
「ど、どうしたの?」
「えーと…。」
彼女は周りを見渡して
「屋上に行こ!」
たしかにここだと周りからの視線が怖いもんな。俺を殺そうとしてきている。
というわけで、俺たちは学校の屋上に来た。
「話ってなんかな?」
「あの、かずくん、だよね?」
「えっ。」
あの子かずくんって言った?…もしかして
「もしかして、穂波?5年前お、俺が告った?」
「そうだよ!かずくん!」
「穂波!」
「かずくん、会えてよかった。」
「こっちもだよ。
穂波が泣いている。たぶん俺も泣いているだろう。なにせ5年ぶりに再会したもんな。穂波は改めてこちらを向いて、
「かずくん、久しぶり!」
「うん、久しぶり!」
おっと。大事なことを聞き忘れていた。
「あのさ、5年前、別れた時の話覚えてる?」
「もちろんだよ!」
「その、返事を聞かせてくれるかな?」
「もちろんいいに決まっているでしょ。いやだったらこうして会ってるわけないじゃん。」
そうか。5年越しの恋が実ってこんな気持ちなのか。もう、今日死んでもいい感じだな。それぐらい幸せだ。
「今日から、私たちはカップルだね!」
「か、カップル!?」
「違うの?」
穂波が上目遣いで聞いてくる。ドキッとしてしまう。俺の彼女がこんなに可愛くっていいのか?
「もちろんだよ。じゃあ帰るか。穂波の家って昔から変わってないのか?」
「うん。昔から変わってないよ。」
「えーと。俺の家はっと。」
俺はポケットからスマホを出し、母親から送られてきた住所を見る。
「俺も同じ方向だな。」
「じゃあ、帰ろっか。」
穂波が手を出してくる。手を繋げってことか。俺は出された手に自分の手を重ねる。
「「つっ。」」
俺たちは真っ赤になる。ずっと片思いしていた相手だもんな。緊張しないわけないか。
俺たちは手を繋いで家に帰った。
「ねえねえ。かずくんの家ってどこなの?」
「それが今、母親から住所が送られてきたからどこかわからないんだよね。」
「私の家の近くだったらいいな。」
「そうだね。」
俺たちはそのまま歩き続ける。
「本当に私の家の近くだね。もう、あと少しで家だよ。」
「うーん。おっ。あそこっぽいな。」
俺は目の前にある家を指さす。
「ええええええ!」
穂波が突然大声を出す。
「どうした!?」
「あの…この家、私の家なんだけど。」
「ええええええ!」
今度は俺が大声を上げる番だ。
「と、とりやえず入ろっか。」
穂波につられて穂波の家に入る。
「おかえり~」
ドアを開けると、うちの母親が出てきた。
「知ってたなら教えてくれよ。」
「サプライズよ、サプライズ。」
そうだ。うちの母親は、いつもそうだったな。事あるごとにサプライズを仕掛けてくる。
「内の母親がごめんね。」
俺は穂波に謝っておく。
「私のほうも同罪だよ。」
「「はぁ」」
「穂波も苦労してるんだね。」
「かずくんもね。」
その日は俺の歓迎パーティーだった。俺の母親と穂波の父親の手料理が振舞われた。めっちゃおいしかった。食事中、穂波に話しかけられた。
「ねえ。後で私の部屋で昔の思い出話しない?」
「いいね。」
食事後、俺は穂波の部屋に行った。
「かずくん。いらっしゃい。」
「お邪魔しまーす。」
「いっぱい話したいことあるんだけど、とりやえずお互いに質問しあおっか。」
「そうだね。」
俺と穂波の夜会が始まった。
いいね、高評価お願いします!
ついでにブックマークもお願いします。