表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

空が足りない

作者: 夜叉

 太陽の光が地面を照らし、わずかに残った水溜まりに蒼い空が映る真夏のある日、君と僕は河川敷のまだしっとりと湿っている草の斜面で寝転がっていた。


 「どうして雲は落ちてこないんだろうね。」

 なんて君はつぶやいた。

 どう説明したものか、と悩んでいると。


 「あぁ、空に溶け込めたらいいのに。」

 そう言った君の瞳には蒼い空が映っていて、まるで空が降りてきたみたいだった。

 今、君の瞳には空がある。そう伝えると君は穏やかに笑った。


 「そっか、そりゃあ良かった。」


 そんなことを語り合った君はもう隣には居ない。

 空と一つになった君。

 私はまたあの場所で空を見上げる。蒼く澄んだ空に君を探しに。私の瞳に君は今いるのだろうか。空を感じたい、そう思って、願うほど。

 

 嗚呼、空が足りない。


 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ